​笑わせるは「エッチな気持ち」への出発点

「怒らせたり泣かせたりは簡単だけど、笑わせるのは難しい」。有名落語の言葉から始まる今回の話。「笑わせる」と同様に難しい「エッチな気持ちにさせる」と一緒に考えていきます。林伸次さんはじめての小説『恋はいつもなにげなく始まってなにげなく終わる。』も大好評掲載中です。

「笑わせる」は本当に難しい

いらっしゃいませ。
bar bossaへようこそ。

落語家の立川志の輔がこんなことを言ってました。

「笑わせるのって本当に難しい。怒らせたり泣かせたりするのは簡単なんだけど、笑わせるのって本当に難しいんですよ」

僕もそう思います。泣かせたり、切なくさせたり、怒らせたりっていうのはいくつかパターンがあって、どの文化、どの時代の人でも、「ここをこう突くと泣いてしまう」っていう決まったスイッチみたいなものがあると思います。難しいのは「笑わせる」と、そして「エッチな気持ちにさせる」だと思うんです。

笑わせるのがどうして難しいのか色々と考えてみると、笑いってその人の経験に左右されるからなんです。子供って「おならプー!」ぐらいで大笑いしますよね。でも年齢を重ねると、その程度では笑えなくなっていきます。

先日、ある落語家さんと話した時も、「ただのパロディでは笑えない。だってパロディってモノマネでしょ」ってことを言ってまして、笑いについて毎日毎日真剣に考えている人は、単にだれかの真似だけだと笑えなくなってしまうんだと知りました。そういう経験値で違いがあるから、「笑える笑えない」って人によって違うんですよね。

その上、時代や文化の違いが大きくあらわれます。「アメリカのスタンダップコメディが日本人には全く面白くない」とか、「中国人って日本人と笑いのポイントが違う」なんて話はよく言われます。僕は昔の落語をたまに聞くんですね。で、マクラの部分で政治家をからかったネタを言って、客席は「え! 政治家をこんなにバカにしていいの?」って感じで大笑いしているのですが、現代人の僕としては政治家をコケにするのってツイッターで毎日見るので、全然笑えないんです。

同様に、「エッチな気持ちになる」っていうのも、個人差や経験値、もちろん地域差や時代差もあります。地域差と時代差は以前、ここにも書いたのですが、「巨乳に興奮する」というのは、今の日本だからであって、女性が胸を露出していても興奮しない国もあるし、江戸時代は日本人男性も今ほど女性の胸に興奮していなかったようです。

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東京・渋谷で16年、カウンターの向こうからバーに集う人たちの姿を見つめてきた、ワインバー「bar bossa(バールボッサ)」の店主・林伸次さん。バーを舞台に交差する人間模様。バーだから漏らしてしまう本音。ずっとカウンターに立ち続けて...もっと読む

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コメント

taizona 笑わせるは「エッチな気持ち」への出発点 | ワイングラスのむこう側 | 林伸次 | cakes https://t.co/iST0tg9FQl https://t.co/4PsrfkmCbZ 2ヶ月前 replyretweetfavorite

yukihgs よく笑う人が好き、ってたまに聞きますね。 2ヶ月前 replyretweetfavorite

Bumblehead69 笑わせるは「エッチな気持ち」への出発点 | 2ヶ月前 replyretweetfavorite

hitomi_nekosan 笑わせるは「エッチな気持ち」への出発点|林伸次 @bar_bossa |ワイングラスのむこう側 そうかー だから独演会行くと村ぴに抱かれたい!って思うのかー https://t.co/rMhTvggOjg 2ヶ月前 replyretweetfavorite