膀胱ストレッチ」を朝晩の新しい習慣としよう—頻尿予防の心得

我が国を代表する泌尿器の専門家、順天堂大学大学院の堀江重郎氏に、今日から実践できる「頻尿」予防の心得を語っていただいた。

【頻尿予防の極意1】

「膀胱ストレッチ」を朝晩の新しい習慣としよう—硬くなった膀胱を柔らかくしてキャパシティを増やそう

・お尻の穴をギューッと締めるだけ

頻尿の原因も複合的だが、一つには動脈硬化によって膀胱が硬くなるから、という話だった。この点へのアプローチが、頻尿予防につながる。

「頻尿予防には、まず運動ですね。運動をすると筋肉がつきます。筋肉がつくとテストステロンが増え、動脈硬化も改善していく。硬くなった膀胱も、再びゴム製の袋になっていく、というわけです」

そしてもう一つ、有効なのは「膀胱ストレッチ」だそうだ。内臓のストレッチとは聞いたことがないが、そんなことが可能なのだろうか。

「簡単ですよ。お尻の穴をギューッと締めてゆるめる。これを朝晩10回ずつ、これで膀胱がストレッチされます。ストレッチをすると、のびた箇所の血流が改善するので、膀胱の柔軟性を上げることができます」

これなら、お金も手間も時間もかからず、誰でもすぐにはじめられる。これを朝晩の新しい習慣にしてもいいだろう。

・膀胱は、陸で生き抜くためにできた器官

ちなみに堀江氏曰く、膀胱は、陸で生き抜くためにできた器官だという。

「ムーギーさん、ところで動物の排尿時間ってどれくらいか、知っていますか?最近、イグノーベル賞をとったアメリカの学者によると、ウマやライオン、サイ、タヌキなど、ある程度、体の大きい哺乳類の排尿時間は、すべてだいたい20秒。これは人間も同じなんです」

自分の排尿時間を厳密に測ったことなどないが、確かにそれくらいかもしれない。「100へぇ」くらいのトリビアだと思ったが、これには、動物の生存競争という深いテーマが隠れていた。

「爬虫類、両生類、鳥類、魚類は、便と尿が一緒に垂れ流しになっています。おしっこをためておく膀胱があるのは、実は哺乳類だけなのです。これは陸上で生き抜くには、自分の匂いをなるべく残してはいけない、そのために膀胱という器官ができたと考えられるのです」

草食動物が歩き回るそばから「さまざまなもの」を垂れ流していては、すぐさま捕食動物に簡単に発見されてしまう。捕食動物にしても、草食動物に感づかれないためには、なるべく匂いは消したい。だから尿をできるだけためて、一気に放出できる体になったわけである。

【専門家が簡単解説!「ED」の仕組み】

「勃起はペニスが大量の血で満たされることで起こります。ところが動脈硬化になると、ペニスの血管も硬くなり、血が巡りにくくなる。これがED(ErectileDysfunction)の原因です」

ちなみに男性にとっては、勃起についても、自らの健康状態を測るための重要なバロメーターだ。私は勃起は男性の性機能なのだから、これこそ男性ホルモンのテストステロンの低下によって引き起こされるのではないか、と想像していたが、EDも実は「血管の柔軟性の問題」だと堀江氏は説明する。 といってもテストステロンと関係がないかといえば、大アリなのである。テストステロンには動脈硬化を抑える働きがある。つまり、テストステロンが低くなると動脈硬化が起こり、ペニスの血流も悪くなって勃起しにくくなる、というのだ。同様の理由で、肥満の人もEDになりやすい。脂肪が多い人は相対的にテストステロンが低く、一層動脈硬化が進行しやすいからだ。

堀江氏によると「平均的に男性は41?42歳で動脈硬化がはじまる」とのことだ。その年代では特に、今からテストステロンを高める習慣を根付かせていったほうがいいだろう。

・「朝立ち」は祝福すべき健康の証

加えて、自律神経の働きもEDと関係があるという。

「勃起は副交感神経優位、つまりリラックス状態のときに起こります。目覚めるときに勃起するのは、睡眠中はずっと副交感神経優位だからです」

「先ほど、EDは動脈硬化によって起こるといいましたね。毎朝とはいわずとも、数日に1回は朝勃ちしているというある人は、夜はよく眠れているし、動脈硬化も起こっていないよ、というサインといえます。逆に、たとえばひと月まったく朝立ちがない、といった人は、相当動脈硬化が進んでいる可能性が高いですね」

決して、「性的な野心を満たしたシーン」を夢に見ているから朝勃ちが起こるわけではないのだ。むしろ朝立ちは「健康の証」。逆に心配すべきは、「そういえば最近、ないな」と思いあたった人である。

「そういう意味では、EDは男性だけに訪れる、自分の健康状態を知るチャンスです。動脈硬化は、脳梗塞や心筋梗塞といった大きな疾病が起こるまで、ほとんど自覚症状がありません。でも、『朝立ちが減った』『勃起しにくくなった』となれば、そこで『自分は動脈硬化が進んでいるのかも』と気づき、対処していくきっかけを得ることができるのです」

男性医療・ホルモン研究の第一人者である堀江氏も、このようにおっしゃっている。すぐにでもテストステロンを高める習慣、ひいては動脈硬化を解消する習慣を始められてはいかがだろうか。 EDは加齢現象の一つであり、「もう歳だし……」などと諦めておられた方もいらっしゃるかもしれない。しかし、ここから紹介する実践法で、予防することは可能だ。それでは一緒に、「ED予防」の極意を学んでいこう。

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zealcom_mk2 尻の穴締めてイキる! 約1年前 replyretweetfavorite

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a_tocci そんな危うい居場所ではなくて、自分が丸ごと受け入れられていて、中心になれるような居場所を作ることが大事なのです」https://t.co/hISewf1Osc 約2年前 replyretweetfavorite

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