この身体で生きていく!と誓う場所

小説家の森美樹さんが自分自身の経験を交えながら、性を追及し、迷走する日々を綴るこの連載。今回のテーマは、「混浴」です。混浴というと、「男女が集まって、見境なく乱交する」といったイメージを持つ人もいるかもしれませんが、実際はどのようなものなのでしょうか。

温泉好きの女性は多いと思うが、中でも「混浴が好き!」という女性はどのくらいいるのだろうか。かくいう私は混浴温泉経験者である。なんなら混浴温泉ツアーにも参加済みだ。

私が混浴に抵抗がない理由

混浴温泉というのは、人里離れた山奥というか、温泉地の中でいえば僻地にあることが多い。ほとんど整備されていないような、生まれたままの自然の湯という趣なので、訪れる人々も解放感に満ち、男女の隔たりがなかった子供の頃に還れるのかもしれない。

というのが、混浴の魅力とは何かと聞かれた時の私の所見である。

女性のなかには「自分の身体を人前にさらすのは抵抗がある」という人もいるが、私は自分の身体を愛しているし、女性の身体も大好きだ。男性の身体は、熱狂的に好きではないけれど嫌いではないし、愛らしいと思う。親密な相手以外の裸はなかなか見る機会がないので、私は混浴に抵抗はない。冒頭で「混浴ツアーにも参加済みだ」と書いたとおり、混浴温泉ツアーに誘われた時は即座にOKした。

ちなみに混浴温泉ツアーというのは、混浴好きの知人が企画したものだ。ほとんどが顔見知りで同世代のカップルや夫婦だったので、妙なよそよそしさもない。それぞれが自家用車で目的地へ行き、同じ宿に泊まった。

混浴愛好家たちが求めるもの

混浴というと、「男女が集まって、見境なく乱交する」といったイメージを持つ人もいるかもしれない。でも、純粋に混浴温泉が好きな人達は、エロ目的ではなく、秘境を探検し野生に戻るみたいな、無邪気な楽しみ方をしている。少なくとも、私が接した混浴愛好家達はそうだった。故に、普通の人々よりも公共のマナーを大切にする。必ずかけ湯をするし、騒いだりしないし、一つの場所に居座ることもしない。

世の中には様々な愛好家達がいるが、その人達は自らの聖域を失うのが何よりつらいので、決して羽目をはずさないのだ。皆、紳士であり淑女である。ただ、服を着ていないだけだ。

山間の、人の手がほとんど加えられていない未開拓な温泉は、本当に気持ちがいい。ボランティアとおぼしき管理人がひとりかふたり常駐しているだけの簡易温泉から、料金箱が置いてあるだけの無人温泉、自分で掘って入る自然のままの温泉など、実にさまざまだ。

露天風呂というのは、のぼせないからいつまでも入っていられる。男性数人と女性数人で世間話をしながら、私は気づいたのだ。湯湯に浸かることにより、男性がより男性らしく、女性がより女性らしくなっている事実に。

いや、湯の中で男性の局部が変化したぞ! とかいう話ではない(そういう話もままあるけれど)。おそらく、男性も女性も無意識のうちに男性性と女性性を高めているのだ。なぜか?

だって、裸ですもの、防御も見栄も虚勢もきかない、素っ裸。女性は、知らず知らずのうちに恥じらうようなそぶりをするし(湯の中で自然と肩をすくめるような体勢になり、結果、貧乳だとしても谷間ができあがる。それが決して不自然ではない)、血流も良くなってお肌もツルピカ。さらに、絶対に全身が隠れない大きさのタオルで全身を隠そうとする、あの仕草。あの無理目な仕草って、なかなか男性は見られないですよね。

もしもあなたのパートナーが混浴に興味があったら

先ほど、混浴愛好家達はエロ目的ではないと書いたが、カップルや夫婦にとっては意味合いが違ってくる。混浴はカップルや夫婦に、ちょっとしたスパイスを与えてくれるのだ。

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アラフィフ作家の迷走性活

森美樹

小説家の森美樹さんは、取材や趣味の場で、性のプロフェッショナルや性への探究心が強い方からさまざまな話を聞くのだそう。森さん自身も20代の頃から性的な縁に事欠かない人生でした。47歳の今、自分自身の経験を交えながら、性を追及し、迷走する...もっと読む

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コメント

0501Can @cakes_PRさんから この解釈、面白い♨ #混浴 @morimikixxx 約1年前 replyretweetfavorite