赤ちゃんと遊ぶときの究極のゴール

「赤ちゃん向けワークショップ」を開発・運営してきたワークショップデザイナーの臼井隆志さんに、赤ちゃんが世界をどう見ているかを教えていただくこの連載。最終回となる第8回目は、赤ちゃんとの遊び方を具体的に説明していきます。

赤ちゃんを観察し、真似して、その体験を言葉にして、赤ちゃんの心を十分に自分のなかに育てたならば、いよいよ赤ちゃんと遊んでみましょう。

いきなりですが、赤ちゃんと遊ぶときの究極のゴールは「赤ちゃんの前からいなくなること」です。これは手っ取り早く一人遊びをさせよう、というものではありません。「赤ちゃんが、自分が楽しいと思えることを、大人がいなくてもできるようになること」と言い換えられます。なぜ、大人がいなくても楽しめることをゴールとするのか。理由は二つあります。

一つは、赤ちゃんが1人でもできることを、大人が不用意に手伝いすぎている場合、知らないうちに自信を失わせているかもしれないからです。もちろん、保育園に間に合わせるために急いで靴を履かせるなど、やむをえないことは多々ありますが、遊びの時間は1人でできることをじっくり見守ることが重要です。

もう一つは、将来の話ですが、子どもは大人よりも長く生きる可能性が高いです。そしてぼくたちが知らない未来を生きていきます。そのときに大人がいなくても楽しんで探索できるようにしておくのは、大人にとって大切な問題と思うのです。

とはいえ、赤ちゃんと一緒に楽しい時間を夢中になって過ごすことは、赤ちゃんにとっても大人にとってもかけがえのない経験です。赤ちゃんと遊ぶ時間をどう作っていくか、見ていきましょう。

安全な空間を整える

遊ぶときに狭い部屋で角がとがったものがたくさんあったり、電池や蓋の空いた洗剤などが転がっていたら大変です。そんな部屋で赤ちゃんと追いかけっこをしたり、ボールで遊んだりしていると、物に頭をぶつけたり、洗剤を舐めてしまったり、電池を飲み込んでしまったり……危険がいっぱいです。誤飲は最も気を付けなければなりません。

ただ、ぶつかったりつまづいたりするのは、軽度のものなら学びのうちという考え方もあるので、そこはお任せします。慣れていなければ、極力広々として柔らかい床のある場所で遊べるとよいです。公共施設の児童館などはオススメです。

心構えをする

「赤ちゃんは自分ではない」「赤ちゃんのきもちになってみる」「自分が楽しむ」という点に留意できるように、心を整えます。赤ちゃんは、驚くほど大人の緊張を感じ取ります。赤ちゃんと遊びなれていないと、緊張してしまうのも無理はないので、緊張している自分を受け入れるようにします。「すみません、慣れていなくて緊張しています……」と赤ちゃんのママやパパに伝えてしまう、というのもありです。

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意外と知らない 赤ちゃんのきもち (スマート新書)

臼井隆志,ながしまひろみ
株式会社ピースオブケイク
2018-08-15

この連載について

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意外と知らない 赤ちゃんのきもち

臼井隆志

物を叩いたり、投げたり、かじったり、よじのぼったりして遊ぶ赤ちゃん。それらの行動にはどんな意味があり、赤ちゃんはどんなふうに世界を見ているのでしょうか? 0〜2歳の赤ちゃんが世界を知ろうとする過程について、「赤ちゃん向けワークショップ...もっと読む

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nonotafree https://t.co/qjQzvVchtV 約2年前 replyretweetfavorite

yasuhiko_tanaka *臼井隆志さん|意外と知らない 赤ちゃんのきもち https://t.co/0wDzGjMZSP 約2年前 replyretweetfavorite