ジュラシック・ワールド/炎の王国』 夜風を受けて、ふわりとふくらむカーテンの官能

『ジュラシック・パーク』にはじまる、恐竜たちが大暴れするシリーズの最新作。本作の醍醐味について、ブロガーの伊藤聡さんが解説します。意外なシーンの魅力などにも触れられていますよ。

93年公開の『ジュラシック・パーク』から数えて5作目となる本シリーズ。子どもから大人までたのしめる定番ファミリー映画として、確実なヒットの見込めるシリーズとなった。前作『ジュラシック・ワールド』('15)で、イスラ・ヌブラル島と呼ばれる島に作られた、恐竜のテーマパークのその後が描かれる。前作では、暴走した恐竜たちによってテーマパークは破壊され、計画は頓挫した。

『ジュラシック・ワールド/炎の王国』では、前作の事件から3年後が描かれる。手つかずのまま放棄された島に、恐竜たちは変わらず棲息していたが、島の休火山が活動を始め、このままでは火山噴火により恐竜たちが死滅してしまうことが判明する。貴重な恐竜をこのまま絶滅させてはならないと考えるロックウッド財団からの依頼を受け、かつてテーマパークで恐竜の飼育にたずさわった動物行動学者、オーウェン(クリス・プラット)は、ふたたびイスラ・ヌブラル島へと向かう。監督に、『永遠の子どもたち』('07)、『インポッシブル』('12)のJ・A・バヨナ。

『ジュラシック・ワールド/炎の王国』は、キッズフィルムとしての魅力がより前面に押し出された、新鮮な作品である。大暴れする恐竜、激しく噴火する火山といった大がかりなスペクタクルが用意された前半は、夏休み映画らしい豪華さ、派手さで観客を確実に満足させる。せまりくる火山噴火から逃げまどう恐竜、目前には断崖絶壁といった舞台の設定も、実に明快で好ましい。また、一転してゴシックホラー調の雰囲気で展開される、恐竜との追いかけっこや隠れんぼがスリリングな後半もユニークだ。資産家の住む古風な大邸宅はどこか薄暗く、その地下では、DNAを組み替えたハイブリッド恐竜の闇オークションが行われているというのだからたまらない。

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およそ120分の祝祭 最新映画レビュー

伊藤聡

誰しもが名前は知っているようなメジャーな映画について、その意外な一面や思わぬ楽しみ方を綴る「およそ120分の祝祭」。ポップコーンへ手をのばしながらスクリーンに目をこらす――そんな幸福な気分で味わってほしい、ブロガーの伊藤聡さんによる連...もっと読む

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コメント

smfafa 確かに,子供も食い入って見ていた 約1年前 replyretweetfavorite