【アンチエイジングの極意1】
運動で成長ホルモンの分泌をうながそう——とにかく「週3回×30分」は運動する
・コマ切れ運動を組み合わせれば、意外と簡単に「十分な運動」ができる
アンチエイジングに重要な体力作りに欠かせない他、お年寄りが寝たきりになる一大要因である「転倒」を防止することにもつながる。といっても別に、激しい運動をする必要はない。
「私の日課は散歩です。家を出て、丘をずっと下って公園まで行き、お気に入りの喫茶店でお茶を飲んで帰ってきます。家を出てから戻るまでは1時間ほどですが、喫茶店で20分ほどは過ごすので、歩いている時間は40分くらいですね」
成長ホルモン分泌の要は、運動と休息ただし、会社勤めをしながら週3回×30分運動をするのは難しいかもしれない。しかし、一日中ずっとデスクワークをしていても、通勤中の歩行に加えて、体操などの習慣を加えれば、アンチエイジングに効果的な運動となる。もちろん、20歳と80歳では「適度」が異なるが、このように活発に活動することが、老化メカニズムの一つ、ホルモンに関係してくるのだという。
「加齢と共に分泌が減る成長ホルモンは、入眠2時間くらいで大量に分泌されます。そして、睡眠時に、日中に傷ついた細胞の修復、再生などを行います。日中に適度に動くことは熟睡、快眠につながります。それは言いかえれば、成長ホルモンの分泌をうながすということなのです」
昼は体を動かし、ちょうどいい疲労感と共に、夜はよく眠る。当たり前なようでいて、なかなかできていない、このサイクルを取り戻すことが、アンチエイジングにつながるというのである。
【アンチエイジングの極意2】
食事で「抗酸化」を推進しよう——アンチエイジング食の決め手は「色」にあり
・活性酸素対策におすすめの食材は、ビタミン・ミネラル・ファイトケミカル
活性酸素は、体内のエネルギー産生の副産物として、また、紫外線や大気汚染などの外的要因によっても発生する。体内には活性酸素を除去する機能が備わっているが、加齢によって衰えていく。そこで意識したいのは毎日の食生活だ。
塩谷氏は「抗酸化力の高い食べ物を積極的にとるように心がけましょう」と語る。
「抗酸化力の高い、『いい食べ物』の代表格としては、ビタミンA、C、Eが豊富に含まれる色とりどりの野菜や果物があります。その他、大豆に含まれるイソフラボン、緑茶に含まれるカテキンなどの「ファイトケミカル」や、イワシやカキに含まれる「ミネラル(セレン、亜鉛など)」などもおすすめです。ファストフードなどの脂質の多い食品や、血液中の悪玉コレステロールを増加させる『トランス脂肪酸』が含まれるマーガリン、食品添加物が多く含有されるハムなどの加工品、揚げ物やインスタント食品、スナック菓子などの参加した食品はなるべく避けるようにしましょう」
細胞をサビさせる活性酸素は、あらゆる病気につながる。「抗酸化力の高い食べ物」をとることは、「予防医学」的にも理にかなっているのである。「腹七分目」で長生きできる——カロリー・リストリクション活性酸素を除去し体内機能を高める食べ物をとると共に、もう一つ心がけたいのは、「食べすぎないこと」だという。それも食事は『腹七分目』くらいを心がけると長生きできるという、「カロリー・リストリクション」という説が、近年、医学界で注目されているからである。
「ある程度の飢餓状態に置かれると、より長生きするというのは、ネズミやサルの実験でも立証されています。長寿遺伝子は誰もがもっているのですが、普段は活動していないといわれています。それがカロリー制限をすると目覚めるのです」
食べすぎは体の負担になり、これも活性酸素の発生につながるという。いきなり腹七分目というのは厳しいかもしれないが、腹10分目、腹12分目まで食べる生活を続ければ、確実に老化を早めることになる。自分のことを棚に上げて言うのも何だが、食べる量は少しずつ控えめにしていこう。
【アンチエイジングの極意3】
社交的に生きよう——人と交流し、頼られる……そんな「生きがい」が若さにつながる
・人との交わりが減るほど人は老け込む
体のアンチエイジングには運動と食事が重要。一方、頭のアンチエイジングに重要なのは、人との交わりだ。ただ交流するだけではなく、人から頼られたり、求められたりすることが「生きがい」につながり、若々しい頭を保つことにつながるという。
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