名刺ゲーム

最終回】僕が持っている夢のサイズは、自分にきちんと合ってるんだろうか?

いよいよ最終回の『名刺ゲーム』! 子供を人質にとられたプロデューサー、父親に向けてある復讐計画を立てた息子、生徒の首に爆弾を括り付けた教師……。3人が辿り着いた結末は? それぞれが突きつける「正しさ」とは? 果たしてこのクイズに正解はあったのか……!?

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 薄井先生。先生、久しぶりです。和也です。

 十一年ぶりですね。先生はあれから十一年間生きたんですね。お疲れ様でした、でいいのかな。

 僕は二十八歳になりました。

 先生のお父さんがね、僕のことを探して、先生が脳梗塞で亡くなったとわざわざ手紙を送ってくれたんです。

 この家に来るのも十一年ぶりです。パパ、というか父に、The Nameを実行するためにこの家に先生を迎えに来て以来だ。十一年も経つのに、この部屋も全然変わってない。

 先生の遺影、教師時代のものなんだね。笑顔じゃない。笑顔の写真がないんだって。先生らしい。

 この部屋に入ったらね、先生のお父さんもお母さんも席を外してくれた。だから今、僕と先生、二人きり。

 今、こうして先生の写真を見ながら、勝手に一人で話してる。僕が話しても写真の先生は笑顔も見せずに何も話してくれないから、あの時の生物室みたいだよ。まだ先生が僕の目を見て話してくれなかった時。

 あの日、あの時、僕が先生の首の爆弾のリモコンのボタンを押した時。

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この連載について

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名刺ゲーム

鈴木おさむ

家族も部下も切り捨て、人気クイズ番組のプロデューサーまで上り詰めた神田達也。ある夜、息子を人質にとられた神田は謎の男から「名刺ゲーム」への参加を命じられる。だがそれは、人間の本性を剥きだしにしていく《狂気のゲーム》だった――。WOWO...もっと読む

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