筋トレで「うつ」対策を

企業経営者や企業幹部には筋トレをしている人が多い。忙しければ忙しいほど、その傾向は強いかもしれない。筋トレの専門家・Testosteroneに、ビジネスパーソンが最高のパフォーマンスを実現する筋トレの実践法を聞いてみた。

・ヨガでもウォーキングでもなく筋トレをすべき理由—仕事とメンタルのパフォーマンス向上

「ムーギーさん、オバマ大統領や名だたる企業のCEOにはフィットネス習慣があることをご存じですよね?それにはきちんと理由があるんです。筋トレを通じて、見た目の印象だけではなく、体はもちろん、精神的にも最高のパフォーマンスを発揮できるようになるからです」こう語るのは、Testosterone(テストステロン)氏である。

確かに、私の周りの企業経営者や企業幹部には筋トレをしている人が多い。忙しければ忙しいほど、その傾向は強いかもしれない。テストステロンとは、男性ホルモンの一種であり、筋肉増強の鍵となるホルモンの一つ。その名を自らのペンネームとした同氏は、もちろん筋トレ道の求道者だが、それだけではない。

自らが筋トレを通じ、優れたビジネスパーソンに成長してきた経緯から、筋トレと仕事のパフォーマンスアップを結びつけた啓蒙活動をしているのだ。

筋トレをすれば、体のコンディションがよくなることは、感覚的にわかることである。しかし、その精神的パフォーマンス向上効果とは、どのようなものなのだろうか。

「フィットネス大国アメリカにおいて、筋トレは最も効率のよい減量法であると大衆に認知されていますが、実は筋トレにはもう一つの顔があります。それが、ストレス管理法としての筋トレです。

現代人の多くはストレス過多。ストレスは確実にパフォーマンスを下げ、うつ病の引き金にもなるのですから、ストレスを抱えたまま何の対策もせず毎日の仕事を乗り切ろうというのは、非常に非効率で、危険なことです。

だからこそ、日々多大なプレッシャーを受ける政治家や会社経営陣は忙しい時間を縫ってまで運動をするわけです。多大なストレスを慢性的に抱えていると、いつか『うつ病』になってしまうかもしれません。

そして、深刻な『うつ病』になってしまえば仕事からの長期離脱を余儀なくされます。会社は長期的に高パフォーマンスを発揮してくれる社員を好むもの。長期的な成功を視野に入れる人は、おのずと自分のライフスタイルに合ったストレスマネジメント法を探すわけです。そして、ご存じの通り筋トレは数多くの人々に選ばれている非常に有効なストレスマネジメントの一つです」

確かに、どうストレスマネジメントをするかが、仕事のパフォーマンス、そして心のパフォーマンスに直結するというのは、よく言われることである。だからこそ、個々人がさまざまな方法でストレス解消を試みているはずだ。

「たとえばお酒を飲んだり、買い物をしたりなど、鬱屈した気分を発散する方法はありますが、過度の飲酒は確実に肝臓にダメージを与えて病気を招きますし、買い物はお金がいくらあっても足りません。ほとんどのストレス解消法は、ダメージが残るのです。その点、悪い点はないに等しく、いい効果だけ得られるのが、筋トレなのです。残るのは筋肉痛ぐらいですし、2〜3日後には筋肉が回復して成長するというボーナスつきです」

確かに、酒や買い物でストレス発散をしていると、いずれ身を滅ぼすリスクもある。しかしながら、筋トレのしすぎで家庭崩壊などといったことは、あまり聞いたことはない。一方で、ウォーキングやヨガなど、ゆるやかな運動でストレス解消する道もある。

これらも体によさそうだが、あくまでもTestosterone氏は、筋トレ推奨派だ。それは「筋トレのほうが、中毒性が高い。つまり継続しやすいから」だという。

「先ほども述べたように、筋肉は、何歳になっても鍛えれば成長します。筋肉がつけば視覚でわかり、筋力が上がれば数字でわかる。自分のレベルアップが実感しやすく、ゲーミフィケーション—つまり、ゲームを攻略していくのに似た快感を得やすいのです。さまざまな研究で、筋トレには中毒性があることがわかっています。さらに、筋トレには自尊心を高める効果があることもさまざまな研究により立証されています」

そうはいっても、もともと好きなことでなければ、筋トレなど続けられないのでは、という気もする。たとえばほとんど運動経験がないとか、体を動かすことが嫌いだとか、そうした人たちにとっても、筋トレは、継続しやすいストレス解消法なのだろうか。

「筋トレにはハードなイメージがあるかもしれませんが、実は筋トレは運動初心者の方や運動神経の悪い方にこそおすすめです。筋トレでは基本的に決まった動作を繰り返し丁寧に行うため、運動神経は必要ありません。相手がいるアクティビティではありませんので、反射神経も必要ありませんし、自分の体力に合わせて負荷を設定できます。

加えて、筋トレには心肺機能も必要ありません。筋トレ60分といっても、実際は筋トレ1分↓休憩2〜3分↓筋トレ1分↓休憩2〜3分の繰り返しになるため体を激しく動かし続けるような体力は実は必要ないんです。ですから、運動経験の有無や好き嫌いにかかわらず、筋トレは誰もが試すべきストレスマネジメント法といえるでしょう」

筋トレと仕事のパフォーマンス向上の「分かち難い関係」筋トレのパフォーマンス向上効果は、体に起こる変化によるものにとどまらない。「『筋トレをする』という行為が、自己管理力の向上につながる」とTestosterone氏は話す。

「筋トレは、せいぜい1日に45分間、長くても1時間くらいです。ただ、筋トレの効果が現れるかどうかは、実は筋トレをしている以外の時間にかかっています」「極端なことをいえば、毎日筋トレをしても、3食すべてがファストフードだったら、体が引き締まるわけがありませんよね。筋肉がきちんと作られるようにするには、ちゃんと栄養をとらなくてはならないし、もちろん、夜、しっかり眠ることも重要です」

筋トレをはじめることで、普段の生活習慣まで、おのずとマネジメントできるようになっていくというわけである。

「筋トレの時間を1時間捻出し、理想の筋トレを行うために筋トレ2時間前に栄養補給をし、筋トレ直後に速やかにプロテインを飲むとします。それから1時間以内に食事をとり、睡眠時間も7時間以上は確保するとなると、相当なタイムマネジメントスキルが必要になります。

ですが、筋肉を育てるのは楽しいので楽しみながら計画を立てることができます。自分の体が若返っていく感覚、筋力が増していく実感、ボディラインが変わっていく喜びは、筋トレ以外ではなかなか味わえません」

筋トレと一言でいっても、Testosterone氏の推奨する筋トレとは「筋トレ」という名の、「筋トレを中心とした健康的なライフスタイル」と言ったほうが正解だろう。

「筋トレにおいて『栄養』も非常に重要な要素であり、食事にも非常にこだわるようになります。外食ではカロリーや栄養分が把握しづらいため、細かなカロリー調整が大事になる減量時などは、自炊が多くなります。筋トレの効果を最大化しようとする結果、基礎的な栄養学の知識が身につき、下準備の習慣もつきます。常に5時間後、6時間後の自分を想像して行動するようになるのです」

必要な知識を身につけること、常に先のことを考えて行動することが、効果の出方を左右する。これは、まさにあらゆる仕事に対して言えることではないか。

「その通りです。行きあたりばったりでは、仕事で成果を挙げることはできませんよね。筋トレと仕事のパフォーマンス向上には分かち難い関係がある、と私が言っているのは、目的達成のための知識を入れ、計画を立てて動いていくという点で、行動原理が合致するからでもあるのです。つまり筋トレをすることで、自然と一流ビジネスパーソンの生活リズム、思考に近づいていく、ということなのです」

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mocco_78 テストステロン氏かなって思ったらテストステロン氏だった 約2年前 replyretweetfavorite

QianChong 同感! の部分が多すぎて、思わず降りる駅を乗り過ごすほど。 https://t.co/o7lOM8ww3i 約2年前 replyretweetfavorite

McKatsumi 人はすぐ裏切るが筋肉は刺激を与えればすぐに応えてくれる。実際、うつ対策として有効だと思う。かくいう俺もそうなのだ。 https://t.co/mWRbCzPTTJ 2年以上前 replyretweetfavorite

Joker03869174 筋トレするしかねぇ💪(´・_・`💪) 2年以上前 replyretweetfavorite