水野さんがイケメンが集まったサイン会にショックを受けた理由とは?
水野 僕は恋愛ヒエラルキーが低いほうの人に『LOVE理論』を届けたかったのに、
実際に読んでくれていたのは上のほうの人ばかりで。
結局男の人って現実の恋愛における悩みから目をそらしても生きていけちゃうようなところがある気がしていて。
それこそ2次元やアイドル の世界もありますし。
横澤 恋愛をしなくても、生きてはいけるっていうことですよね?
水野 そうなんですよ。つまり、実はモテない男たちは僕ほどは悩んでいないのかなってそのときに思ったんです。
横澤 なるほど。
水野 僕はイケメンを倒したくて頑張ってきたのに、結局イケメンに塩を送っていたのかって ……。
イケメンのヨシダ、オゼキに塩を送ってしまったオレはなんなんだと。
だけど、男性向けに書いたはずの『LOVE理論』を読んで、
女性がハガキや手紙をくれたりしたんですよ。
手紙を送ってくれるって、相当悩んでる証拠じゃないですか。
横澤 そうですよね。
水野 伝えるべき人はこっちだったか! と思って。
それからすごく女性について考えて、なにに悩んでるのかをリサーチして、それが『スパルタ婚活塾』につながったんです。
逆に横澤さんはなぜ婚活本を書こうと思ったんですか?
横澤 私も水野さんと似たところがあって、地元の友達に負けるのが嫌だっていう思いが根本にあって。同業の芸人が売れても悔しいと思わないけれど、
地元の友達が副店長になった、なんて聞いたら泣き崩れるくらい悔しい人間なので……(笑)。
で、その友達がみんな結婚をし始めて。結婚をしていない人でも大恋愛をしていたりとか。
同窓会で集まったときに、みんながそういう話題で盛り上がっているのに「なにもないんだけど……」って言うのがすごく悔しかったんです。
で、話を作ろうにも作った話って絶対にバレるから、ちゃんと恋愛しなきゃっていうその焦りがずっと根っこにあって。
だから結婚に至るまでには「結婚と結婚したいんじゃないか?」って自分を疑うこともあったし ……。
そんなときに水野さんの『スパルタ婚活塾』を読んで
「あ、結婚したいんじゃないんだよ」「一周回って、あなたと一緒にいたくなったんだよ」とか言って、
その言葉に自分自身が 一番納得したりして。
水野 高まっちゃった婚(笑)。
横澤 そうです。あなたとずっと一緒にいたら、結婚したくなっちゃったっていう。
そこを読んだときも「あぁ、そういうことか」ってすごくリアルに感じられて。
それまでの私は、地元の友達を意識するあまり結婚に偏りすぎてい たかなって思い直して、ちゃんと相手を見ることの大切さを水野さんに教えていただきました。
もしも水野さんの本に出会っていなかったら、「結婚と結婚する」みたいな感じになっていたと思うんですよ。
だけど、ちゃんと相手と恋愛をしよう、向き合おうっていうのを教えていただいて。
『追い込み婚のすべて』は人間としての成長物語
水野 いやー、それはうれしいですね。
だけどお話を聞いていると恋愛や婚活の話をしながらも、これはもう人間としての成長の物語になっていますよね。
横澤 本当にそうですね。恋愛をすると経験と いうか、自分でも知らなかった感情が出てきた りするから、そういうのも勉強になりますよね。
そんなことをいろんなところで話しているうちに、この本のお話をいただいたんです。
水野 そういうことだったんですね。
今のお話を聞いて、この本を「現代の救いの書」だと思った僕は間違っていないと確信しました。
横澤 救いの書(笑)。
水野 ちなみに『スパルタ婚活塾』では書いていない、裏メッセージがあるんです。
それは ……まず、冒頭では絶対に妥協をするな! と言 っています。
本当は相手の年収これくらい欲しいんだけど、これくらいの人が妥当かな……、
という妥協はナシってことなんですけど、そう考えたほうが行動できる。
すると、色々な経験ができて理想の形が変化していくんですよね。
横澤 目標を高く設定したほうが自分が変わっていけますよね。
水野 そうです。で、目標に向かって頑張っているうちに、
さっき横澤さんがおっしゃっていたような、ここは譲れない、ここなら我慢できるっていうことが見分けられるようになるんです。
一見これも妥協に見えるけど、高い目標を設定して自分から行動したあとの人間って、
自分の選択を納得して進んでいけるんですよね。
その点、この本にはすごく分かりやすく「これをしろ!」って具体的にバシッと書いてある。
ぜひ実践してもらいたいですね。
それと、お世辞抜きに「ピーマンの肉詰め」のくだりは使えると思います。
横澤 うれしい! 本当ですか !?
水野 僕の事務所の仲間でご飯を作ってみんなで食べるときがあって。
僕もたまに作るんですけど、ノジっていう漫画家がピーマンの肉詰めを作ってきてくれたんです。
食べてみたらメチ ャクチャおいしいうえに栄養もあって、
なにより「これなかなか出してくれるお店ないね」って話ですごく盛り上がったんですよ。
なんでこれ居酒屋で出さないんだろうって。
あれを読んだ瞬間に、僕の「雑炊理論」はアップデートされましたね。
横澤 私ももちろん「雑炊理論」使いましたよ。
それと本にも書かせていただいた
「好きなプレゼントは?」「ハンコ」
「デートどこ行く ?」「区役所」
も全部水野さんの言葉です!
水野 ちょっと待って! 僕「ハンコ」って書きましたっけ?
横澤 あれ? うそ? 区役所とハンコって……。
水野 冗談で「区役所に行こう」って言うっていう、あれですね。
横澤 あれ、ハンコまで入ってませんでしたっけ? 私が妄想で追加しちゃってたのかな……。
水野 ハンコの時点で僕の教えからは独り立ちしてる(笑)。
横澤 失礼いたしました(笑)。
水野 いやあ、今後の恋愛界では僕が洗礼者ヨハネで横澤さんはキリストみたいなものですから(笑)。
これからは横澤さんが世の中の女性を啓発していただいて、
本当にこの本を読んで幸せになる人、増えると思いますよ。
横澤 私を幸せに導いてくれた本を書かれた方に、そう言っていただけるのが本当にうれしいです。
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