わざわざの実店舗入り口
店という仕事を思いつくまで
前回、店というものを思いつきでやることにした話を書いたけど、思いつきに至るまでには中学生頃から20歳代の青年期の体験が強烈に影響をしていて、その上で最後に「店をやる」ことを思いついていると言っていい。私は、もともと店をやりたいとは一ミリも考えたことはなかった。だけど、今こうして店を営んでいる。だから、今回はそこに至る経緯を説明しなければなるまい。
私は東京生まれ静岡育ちで、また東京に戻り、その後長野に移住している。東京には通算11年、静岡に15年、長野にはもう16年も住んでいることになる。夫の転勤で偶然、長野に引っ越してきて、私たち夫婦には縁もゆかりもないない土地であるのに、子ども達は長野で生まれ育ち、いずれ長野が故郷になる。それがとても感慨深い。
長野に引っ越して来て一番変わったことと言えば、ごく普通の人間らしい一般的なことをしたことだと思う。27歳にして生まれて初めて就職活動をして、地元のシステム会社にWEBデザイナーとして就職して3年弱働いた。東京に住んでいた頃は、仕事はかなりフラフラしていて、人生の中でほとんどまともに働いたことはなかったと言っていい。だから就職するという選択をしようとしたこと自体が事件だったし、大きな転機にもなった。貴重な体験をさせてくれたその会社に、今もとても感謝している。
小学生時代
小学生の頃
思い起こせば、そのフラフラとしていた兆候は、すでに小学生の頃から現れていた。どうしても学校の規定通りに生活できず、毎日忘れ物を重ね、規則正しい生活を送ることが非常に困難で苦手であった。勉強は割と好きで授業は熱心に聞いていたので、成績は中の上で悪くはないが、興味のないことをやることが一切できなかった。性格はとにかく明るくいつもニコニコしていたので、先生に怒られつつもかわいがられるような子ではあったと思う。
実家にたくさんの本があり、幼い頃から本に囲まれて育っていた。自然と読書が好きになり、常日頃から本を読んでいた。小学校の図書館の本は大体読んでしまって、父親に本をねだってよく買ってもらった。そのせいかどうかはわからないけれど、高学年からは本の中の世界と周囲とのギャップを感じ始め、早く大人になりたいと願うようになっていた。きっと中学生になったら大人になるのだという期待を抱いて。
好きなことをやり続けたくてアルバイトに明け暮れる
cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。
cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。