夏になると食べたくなるそうめん。今日はおいしい茹で方とめんつゆの作り方の紹介です。
うどんやラーメンなど麺類にコシがあるのは含まれているグルテンのお陰。グルテンとは小麦粉に含まれるタンパク質のグルテニンとグリアジンが水を吸収することで、網目状につながったもので、パンの弾性もこのグルテンの性質によるものです。
そうめんが他の麵と違うのは、外側にグルテンが並び、内側のデンプンの粒を包む形になっている点。この構造が、細いのにプリッとした歯ごたえのある独特の食感を生みます。
冷やしそうめん(2人前)
そうめん 4束(200g)
梅干し 2個〜3個
市販のそうめんつゆ 適量
青ネギの小口切り 適量
生姜のすりおろし 適量
まず、そうめんの選び方です。上に『手延麵』という文字が見えますが、そうめんには機械で製麺した安価な製品とちょっと割高な手延べの2種類があります。最初にそうめん独特の食感の理由を説明しましたが、機械式でつくったそうめんはグルテンが外側を包む構造にならないので、ちょっと高くても『手延べ』という表示のあるそうめんを選んでください。
1.鍋にたっぷりの水(2束100gに対して水1リットルが目安、今回は4束なので2リットル使用)と梅干しを入れて、沸騰させる。沸いたら火を弱めて2〜3分煮る。そのあいだに、そうめんの束の帯をほどいておく。
*梅干しを入れる理由
そうめんを茹でる時にたっぷりの水が必要なのは二つ理由があります。一つはそうめんに含まれる塩分を流すためです。そうめんは生地をつくるときにたくさんの塩を加えて練るので、それを希釈させるためにたっぷりの水が必要です。茹でることによって塩分は20%以下になり、さらに洗うことで5%以下まで減らすことができます。
もう一つの理由はpHにあります。pHとは「水素イオン指数」のこと。酸っぱいレモンは〈酸性〉、苦い重曹水は〈アルカリ性〉というように水溶液の性質を表す数字です。うどんやそうめん、冷や麦などの小麦粉でできた麺類を茹でる時、茹でる湯のpHはコシに大きく影響します。アルカリ性の湯で茹でると、グルテンの網目が緩み、デンプンが溶出してしまうので、コシがなくなってしまうのです。
水は沸騰させるとアルカリに傾きますが(理由は後述)たっぷりの湯で茹でることで、その影響を少なくすることができます。
とはいえ家庭では毎回、多くの湯で茹でるわけにもいきませんし、鍋の大きさにも限界があります。
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