買物ブギー』笠置シヅ子だってスーパーに行きたかったかもしれない

日々の買い物、特に生鮮食品はスーパーマーケットで買う、という方は多いのではないでしょうか。1950年発売の大ヒット曲に思いを馳せながら、60年後の今、なぜこんなにもスーパーが定着したのか、その仕組みから改めて見直してみましょう。

1950年に発売された笠置シヅ子の『買い物ブギー』は、ぼくの授業のテーマソングです。必ず最初の講義で流します。これは、ミュージックビデオの古典中の古典と言うべき傑作です。エプロン姿で買い物かごを持った笠置シヅ子が歌いながら、魚屋、八百屋、電気屋、タバコ屋を回ります。それをほとんど途切れなく、一本のカメラを回して撮影し続けています。

一人暮らしをしている学生に「ふだん、料理の材料を買うときは、どこで買う?」と学生に聞くと、だいたいみんな「スーパーです」と答えます。「商店街に肉屋とか魚屋とか八百屋とかあるでしょう?なんで行かないの?」と聞くと、「いちいち違う店を回るのが面倒だ」と言うんですね。

食品スーパーでは、肉、魚、野菜を買うことができます。これらを「生鮮三品」と呼びます。生鮮三品を商店街で買うとなると、お金を払う回数は3回になります。でもスーパーで買えば、レジで1回で会計が済みます。これが、スーパーマーケットという小売業態の大きなメリットです。これをワンストップショッピングと言います。今日は、スーパーという商売が成り立つ仕組みについて考えてみたいと思います。

スーパーは、ワンストップショッピングという便利さを提供しているだけではありません。例えば、スーパーは、店員とやりとりをせずに買い物をすることができます。カゴに買いたいモノを入れて、レジでお金を払うだけです。レジの人と話をしないのは、愛想がなさ過ぎてどうかと思いますが、話したくなければ話さずに済みます。最近は、無人レジが広まってきましたから、ほんとうに一言も話さなくても大丈夫です。

このように考えると、お店には、店員とのやりとりが必要なものとそうでないものに分けることができます。例えば化粧品をドラッグストアで買うときは不要、でもデパートで買うときは必要です。ドラックストアとかスーパーでは、店員とのやりとりをしなくてもよいように、様々な工夫をしています。例えば、すべてのモノにきちんと値段が表示されています。値札がなければ、いちいち店員に値段を聞かなくてはなりません。

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