若手男性アナの「色々と柔軟です」
このところ、若手の男性アナウンサーが、「自分、色々と柔軟です」って感じを必要以上に醸し出してきて、こちらが要望していない柔軟性の開示に疲れてしまう。『あさチャン!』に出ているTBS・石井大裕アナは、番組終了直前にメインキャスターの夏目三久からあれこれふられるのが恒例となっており、スタジオを沸かすための一言を放つ。とっさの一言を、力強く言い切ることで、スタジオが失笑に包まれて終了する。
たまに煮え切らないならまだしも、押し並べて煮え切らないという状況に、見ているこちらが耐えられなくなってくるのだが、「色々と柔軟です」の一貫として開示されるそれは、改善されようとはしない。このところ、どの局の若手男性アナも、周囲からイジられる態勢が整っており、それくらいではめげません、と乗り越えていく態度がアナウンサーとしてのポテンシャルに変換されている。それってもしかして、少し前まで「女子アナ」に対して要求されてきたものなのかもしれない。
日テレ・藤井恒久アナへのリスペクト
『ヒルナンデス!』のコーディネート企画に出てくる、日本テレビ・藤井恒久アナは1993年入社のベテランだが、その動きこそ柔軟である。ファッションプロデューサーの植松晃士と共にショッピングモールなどに出かけ、タレントや一般人のファッションに評価を下す企画だが、とにかく、歩いている一般人を捕まえにいく時のバリエーション、その愉快な振る舞いに感服する。
テキストには起こしにくいが、ピョンピョン跳ねながら視界に入っていったり、中腰で近付いてギリギリで立ち上がって驚かせたりする。結果発表の際に見せる、変顔のレベルも相当高い。本来であれば若手がすべき仕事に思えるのだが、そこに「自分、色々と柔軟です」という主張があるわけではなく、こなすべきタスクとして悪ふざけを重ねていく。その平均点の高さが異様で、昼ご飯を食べながら、今日は藤井アナが出ていないか、定期的にチェックしている。
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