可愛いし偏差値も高いのに、毎日劣等感に襲われています

今回、牧村さんのもとには、「常に褒められていないと不安」というお悩みが届きました。周りから容姿・性格・能力を褒められることが多いものの、毎日劣等感に襲われるという相談者さん。牧村さんは相談者さんの悩みの本質を見抜いたうえで、幸せに生きるためのアドバイスを送ります。


※牧村さんに聞いてみたいことやこの連載に対する感想がある方は、応募フォームを通じてお送りください! HN・匿名でもかまいません。

「お前は賢い子だ」
褒めておいて、

「他のバカな子とは大違いだな」
誰かと比べる。

「あなたは本当に可愛い子」
褒めておいて、

「可愛く産んでもらって感謝しなきゃね」
親のおかげということにする。

どんなに頑張っても他と比べられる。どんなに頑張っても親のおかげということにされる。どんなに頑張っても自分自身の頑張りを認めてもらえない。そんな子供時代を過ごすと、大人になっても、「褒めてもらいたい」と苦しみ続ける場合があります。

決別しましょう。今日ご紹介するのは、「常に褒められていないと不安」とおっしゃる方からのご投稿です。対話形式でお送りします。

牧村さんこんばんは。まきむぅさんの好きな所を語り出すとキリがないので相談だけします。

あら、こんにちは! ありがとうございます。そうね、この連載のどこかで書いた記憶があります。あら、うふふ。語り出してくださってもよかったのに。

とにかくお伺いしましょう、どうなさったの?

私はずっと自分の求める周囲からの評価と、実際に耳に届く評価の差に不満を抱えていました。幼少期から今まで「私は可愛くてお利口だからもっと褒められていいはず」「こんなに可愛くて良い子なのにどうしてあなたは私に惚れないの?」等と思って過ごしてきました。

まあ、漫画のお嬢様キャラみたい!
そんなあなたはどんな方でいらっしゃるの?

先生にも知り合いにも友達にも容姿・性格・能力を褒められてきたし、男性にも女性にも普通にモテるし、第一志望ではなかったけど偏差値の高い大学で良い成績を取っています。

わあお。

でも、常に「可愛い」と言われていないと「もしかして私ブスなの?」と不安で人目に付かぬように隠れたくなるし、男友達に彼女が出来たら「才色兼備な私よりあの子を選ぶの?」と腹が立つし、挙げたらキリがないくらい毎日劣等感に襲われます。また、失敗に慣れていないので小さなミスでも自分を許すことができません。

それは、おつらいでしょう。そういう時、ご自分とどう向き合っていらっしゃるの?

これらが私の稚拙さ故の感情だと頭では理解しているので普段は我慢しますが、少しずつ磨り減った自尊心が些細なことでマイナスに振り切れて生きているのをやめようかと思うほどしんどくなってしまいます。この捻じ曲がったぐらぐらの自己肯定感や私の望む評価が得られない不満との折り合いのつけ方、このしんどさから少しでも解放される方法について考えをお聞かせいただけたら嬉しいです。

んー……。推測ですけれど、もしかして……本当に褒めて欲しかった誰かに、まだちゃんと褒めてもらったことがないと心の奥底で感じていらっしゃるのでは? って、わたし、思いました。

ちょっとご投稿文をもう一度拝読しましょうか。

先生にも知り合いにも友達にも容姿・性格・能力を褒められてきたし

余計なことを申し上げるようですけれど、ご家族から褒められた、とは書かれていませんね。

私は可愛くてお利口
こんなに可愛くて良い子
常に「可愛い」と言われていないと
才色兼備な私よりあの子を選ぶの?

容姿について何度も言及していらっしゃいます。

偏差値の高い大学
毎日劣等感に襲われます

絶対評価ではなく、誰かと比べる相対評価でご自分を評価する表現も目立ちます。

ということで……もしかするとご投稿者の方は、冒頭で申し上げたような、「褒めると見せかけて奪う」行為を誰かに繰り返しやられてきたのではないか。もっと具体的に言うと、「あなたが他の子と違って可愛いのは親のおかげ」みたいな褒め言葉に見せかけた暴言を浴びてきたのではないか、と、わたしは想像します。

「あなたは可愛い子」

ただこれだけでいいはずなのに、

「他の子たちとは違う」
「お母さんが美人だもんね」
「可愛く生まれた子はずるい」
「美男美女の血を受け継いで生まれたことに感謝しなさい」

こういう余計なのをくっつけられて、あなたが可愛いということをあなた本人の手柄として認めてもらえていなかったのではありませんか?

もしそうなら、自分のお手柄、自分で認めましょ。全ての美人は後天性です。生まれつきの美人なんかいません。そして全ての美人はオリジナルです。美は孤高であり、「あの子と比べて可愛い」とか「ブス」とかそんな俗なものとは切り離された次元に見出されるものです。

もちろん、たまたま本人の生まれた地域と時代に美人として扱われやすい特徴を持って生まれる人はいますよ。色が白いとか、鼻が高いとか、そういうのね。だけれどもどういう特徴を持って生まれようが、美しく生きるというのはその人自身の選択です。たとえ恵まれた体格で生まれようが、クンフーしないとカンフーマスターにはなれないでしょ。ジャッキーチェンもブルースリーも赤ちゃんの時からムキムキバキバキだったわけじゃないでしょ。それと一緒です。アチョ〜。

「美人はずるい」だの「親に感謝しろ」だの人は言います。が、肌や髪や歯や爪を手入れして姿勢を正し教養を身につけ衛生を保ち体を鍛え食生活を整えセンスを磨いて深呼吸して微笑みをたたえて生きるのは美人本人です。いいですか、美人、本人です。他の誰でもありません。ましてや人を美人とかブスとかジャッジしてくるやつらでもありません。

わたしは美人ですが、たとえ誰にも褒められなかろうが、美しく生きるために自分がなす一つ一つのことを自分自身で褒めます。それは例えば次のような、生活の中の一つ一つのことです。

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ハッピーエンドに殺されない

牧村朝子

性のことは、人生のこと。フランスでの国際同性結婚や、アメリカでのLGBTsコミュニティ取材などを経て、愛と性のことについて書き続ける文筆家の牧村朝子さんが、cakes読者のみなさんからの投稿に答えます。2014年から、200件を超える...もっと読む

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コメント

Mia_sugar2 今までで一番好きな記事。まきむぅはわたしの憧れる美しい人☺️ https://t.co/9UblAvxB2G 5ヶ月前 replyretweetfavorite

pekezato 牧村さん本当に素敵な人 5ヶ月前 replyretweetfavorite

kappa_lily やはり皆自分の中にセルフコウペンちゃんを飼うのが良いと思う。自己肯定感大事。 5ヶ月前 replyretweetfavorite

sunnymondaySOL まきむぅの文章好き! https://t.co/PBl0YFaONE 5ヶ月前 replyretweetfavorite