牛込の加寿子荘

牛込の加寿子荘」 第二十四話

ついに加寿子荘とは別に新しい職場を借りることに。そしてそれは女性3人でのシェアオフィス。 築40年を超える「加寿子荘」での生活風景。能町みね子の自叙伝風小説!

 またその頃、はすむかいにあるアパートの前に「ご自由にお持ちください」という貼り紙とともに小さな冷蔵庫と中型の本棚とキッチンラックのようなものが置かれていたことがあった。加寿子荘に戻ってきて三年以上たつけれど、床には本があふれていて、私の部屋はまだ完成に近づいていません。逡巡したすえ、本棚を持ち帰ってきてしまいました。冷蔵庫もほんとうは欲しかったけれど、自力で運べないし作動の保証もないからやめておきました。

 冷蔵庫は加寿子荘の自分の部屋に欲しかったのではなく、職場にほしかったのです。

 私はついに職場を借りたのだ。

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能町みね子

築40年を超える「加寿子荘」での生活風景。能町みね子の自叙伝風小説!

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