女の人が理想の男性像について話すとき、「逆に絶対に無理なのは~」という流れで挙げられがちなのが「チャラい人」で、一般的に、「恋人」や「結婚相手」にしたくないタイプの男のNo.1といえば「チャラ男」なのだと思う。
「女遊びが好きなチャラ男と結婚すると苦労する」
「モテるチャラ男は、すぐに浮気をしそう」
「子どもが生まれても育児はほったらかしで、独身気分のまま外で遊び続けそう」
これが世間でのチャラ男の評価で、多くの女の人がそう思っている印象がある。
しかし、私の価値観では、これは全くの逆となる。
モテない男のほうが浮気のリスクが高い
まず「チャラい」というのはひとつの能力であって、欠点ではなく完全に魅力。それに浮気へのリスクでいうと、モテない男や女遊びの経験が少ない男の人の方がよっぽど危ないと思う。「モテない男を選べば安全」と考えている女の人は多いけれど、そんなことはない。
いや、たしかに、モテない限りは安全だとは思う。だけど、どんなにモテない男でも、人生で一度くらいは女からアプローチを受ける機会があったりする。
かっこいい男にフラれたり、追いかける恋をして傷ついたりと、女の人は頑張る恋をした結果として素敵な男の人に疲れる時期があって、そういう時に、普段だったら眼中に入らないような冴えない男が一時的に輝いて見えたりする場合がある。おじさんだろうと安月給だろうと、清潔感を大切にして人畜無害に生きていると意外とチャンスがあったりする。
そして、モテない男がごく稀にモテた時というのは、ほぼ100%の確率で浮気に発展する。
モテない人は基本的に「断る」という発想がないし、そもそも「こんなチャンスは二度とない」と思うから全力で食いつく傾向にある。 だから「来るもの拒まず」になりがちで、「相手のことをよく見て選ぶ」ということをしないだけに、ヤバい女にも平気で引っかかるから、モテない男の浮気こそ本当にタチが悪い。
ヤバい女というのは、たとえば「今日は安全日だから」だとか「大丈夫、私ピル飲んでるから」などと絶対についてはいけない嘘をついて、騙すようなやり方で妊娠するような女のこと。欲しい男を手に入れるための手段として妊娠能力を使い、生まれてくる子どものことを想うわけでもなく、男性側が望んでいない出産を強行してしまうような女。
そういう女は、世の中にたくさんいる。そして、そういう女と関わったことで「そんなつもりもなく」うっかり大切な家庭を壊してしまったり、なし崩しで結婚するハメになっているような男の人もたくさんいる。そして、本当に最悪なことに、そういうヤバい女とマヌケな男の犠牲になっている子どももたくさんいる。
私は、ヤバい女の被害に遭いたくないし、息子がいる今、彼が「そんなつもりもなく」家庭を壊すような行動を取るようなことは絶対にあってほしくない。
男女ともにそうだけれど、人は、ごくたまに異性から好かれると大喜びしてしまう。つまりモテないということは、そのまま危なっかしさだと思う。
モテる男は、相手を厳選する
それに比べて、モテる男は「俺の人生、女を抱くチャンスなんていくらでもある」と考えているから、仮に浮気をするとしても、ちゃんと相手を厳選する。ヤバい女にはまず手を出さないし、どんなに言い寄られても好みじゃなければ当たり前に断る。
女がらみのことで面倒くさいことにならないためには、ヤバい女を見分けるスキルを持った上で、抱けるチャンスと見送りにする心の余裕が必要だけど、モテない男にはそれがなくて、モテて遊んできた男にはそれがある。
そもそもモテるチャラ男は、そんじょそこらの恋愛テクニックでは落ちないから、そこもすごく良い。
ある結婚相談所では、男の人を落とすための駆け引きや計算についての指導しているらしいのだけれど、そんな教科書通りのセオリーで恋に落ちる男の人ってちょろすぎるからパートナーにするには怖いと思う。
だって、世の中には似たような駆け引きや計算をして生きている女の人が山ほどいる。ありきたりなテクニックで簡単に落とせる男の人は、どこにでもいるような女の人に簡単に持っていかれてしまう男の人であって、それって「自分の男」にするには超危険物件だと思う。
それに比べて、女遊びをやり尽くしているチャラ男なら、その心配がない。チャラ男は女を引っかけることはあっても、女に引っかかることはない。
私は旦那さんのチャラ男なところが好きだ。女遊びをやり尽くしてきた過去があるところこそが好き。
元ホストの彼は、女のリアルを知っている
彼は、わりとチャラ男だらけの私の周りの男性陣の中でも一番のチャラ男だと思うのだけど、同時に、女の駆け引きや計算に一切なびかない男No. 1だとも思う。
旦那さんと一緒にテレビを見ていると、可愛い女パフォーマンスをする女性に対しての反応が、他の男の人と全く違う。多くの男の人が、まんまと「可愛いね、この子」と言い出すようなシーンで、彼はいつも「なにこの女、キモ」と言う。ありとあらゆる言動の裏側にあるテクニックを具体的に見抜いていて「その程度の計算かよ。ショボ。騙される男もキモい」と、あざ笑っている。
基本的な傾向として、ホストという仕事を本気でやった経験のある男の人は、女の人に対して少しも夢を見なくなるみたいだなぁとは、盛り上げ女王として活動していた時代に多くのホストさんと接する中で感じていたことなのだけど、旦那さんもまさにそうだった。
彼と接していると、なんなら女の私以上に「女のリアル」を知っているような感じがするし、だからこそなのか、彼は女への酷評が凄まじい。男性にはありがちな女贔屓な言動を一切しないし、一般的には好感度が高い感じの女性の振る舞いを見かけた時に「あざとい女だな」と言う。普通の男性なら萌えるであろう1シーンに対して「この女キモすぎるわー、そんな簡単じゃねーから」と言って、身震いするほど気持ち悪がったりしているから、笑ってしまう。
旦那さんとは出会って丸3年、結婚して1年半が経つけれど、よその女の人をホメているところを一度も見たことがない。
彼といると「ちょっとやそっとのことじゃ落とされないだろうな、この人は」と感じるから、とても安心する。
また、チャラ男は、性欲と恋心を混同しないところも、すごく良い。
たいていの男の人は、性欲と恋心を混同しているから、恋人や妻から性行為を拒まれると「愛がなくなったんだ」と思って傷ついたりするし、濡れてなかったりすると「もう好きじゃなくなったの?」などと不安がったりする。
だけど、チャラ男は違う。そんなおセンチな考え方をしない。
旦那さんは「セックスは性欲でするもの。それ以上でも以下でもない」というベースの価値観がしっかりしていて、だから私が気乗りしない時があっても、私たちの夫婦仲には少しも亀裂が入らない。
この1年ほど、私は妊娠からの授乳で、ホルモンバランスが乱れまくる日々を送っていて、その影響で性欲も不安定になっているのだけれど、彼がいちいち愛を疑ってこないおかげで快適に過ごせている。「だから今は性欲がわかない」という説明が、彼には当たり前のように通じる。
付き合うこと以上に、結婚生活を送る中では、「夫がチャラ男で良かった」と思う機会がたくさんある。