家でやるならローストビーフよりポトフ
おいしいスープにおいて、とても便利で強力な具材が「塩漬け肉」です。塩漬け肉なら特別な道具なしで、誰でも簡単に肉のおいしさを引き出すことができ、スープのクオリティが劇的に上がります。
塩漬け肉は、文字どおり、肉に塩をまぶして冷蔵庫で数日置いたものです。豚、牛、鶏、どんな肉でも、塩に漬けると余分な水が抜けて塩味が染み込み、うま味が増していくのです。
この塩漬け肉をゆでれば、肉の濃いうま味の出たスープがとれます。もちろんゆでた肉そのものも、塩味がほんのり残っておいしく食べられます。残ったら冷蔵庫に保存してハムやチャーシューのようにスライスして食べてもよいですし、ラーメン、チャーハン、野菜炒め、また他のスープの具にも使い回せるため、忙しい人の作り置き食材としてうってつけです。
塩漬け肉の作り方
塩漬け肉の作り方はいたって簡単で、かたまりの肉に塩をまぶしつけてビニール袋に入 れ、3日〜1週間、冷蔵庫にしまっておくだけです。塩のはたらきで肉から余分な水分が抜け、腐敗することなく、肉の熟成が進んでやわらかくなります。以下、肉選び、調味料、保存、加熱について説明します。
●肉選び
肉のサイズは400〜500gぐらいがいいと思います。スーパーでもこのぐらいのグラム数でかたまり肉が売られています。チャーシュー用などとして網状のネットにはいっているものでも、OKです。
スープに使う場合、一番おすすめの部位は、豚ならほどよく脂が入り、うま味を感じやすい肩ロース、牛なら煮込んでゼラチン成分がやわらかくなるスネ肉です。さっぱり系がお好みの方には豚や牛のもも肉もいいでしょう。逆に、脂身が大好きというなら豚バラ肉です。ただしスープはやや脂っぽくなります。
鶏肉は、もも肉1枚が350〜400gぐらいのことが多いですね。ポトフのように長く煮込むならもも肉がおすすめです。むね肉は、脂肪が少なく長時間の煮込みには向きませんが、塩漬けにしたものを小さく切って使うにはいいと思います。また、骨付きの鶏もも肉で作ると、骨からもだしが出て、とてもおいしいスープになります。
●調味料
次に調味料ですが、塩は肉の重量の2〜3%。500gの肉なら10〜15g(小さじ2〜3)ということになります。鶏肉は薄いので2%でもかなりしっかりめに塩味がつきます。350〜400gの鶏もも肉なら塩7〜8g、小さじ1杯半ぐらいです。使うのはあら塩です。
塩の半量の砂糖を一緒にもみ込んでおくと、砂糖の効果で肉がやわらかくなります。こしょうは肉の臭み消しと香りづけに使いましょう。調味料をまぶしつけるときに手を汚したくない人は、ビニール袋に調味料を入れ、そこに肉を入れて、袋の上からもみ込んでまぶしつけます。いずれにせよ、入念な手洗いは必須です。
●保存
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