スープの「国籍」は油で決まる
油は独特の色や風味を持ち、料理に大きな特徴づけをする、味の決め手となるアイテムです。
オリーブオイルやごま油、バターなど、油脂の性質を知ってスープに合った油づかいをマスターすることで、より深いおいしさを作り出すことができます。単なるおいしさだけではなく、スープの大きな方向性を決めるのも、油です。
たとえば、ここに切ったキャベツがあるとしましょう。このキャベツをふたつに分けて、ごま油で炒めたときと、オリーブオイルで炒めたときでは、ずいぶん風味が違います。さらに、どちらにもにんにくを加えると、もっと差がはっきりします。中華料理のようなキャベツ炒めと、洋風なキャベツ炒めになるのです。これに水を注ぐと、それぞれ中華風なスープと洋風なスープになっていきます。
イタリア料理のオリーブオイル、タイ料理のココナッツオイル、インド料理のギー、日本料理のごま油など、油なしでは成り立たない国の料理もありますね。それほど料理の個性を決める重要な役割を持っているのです。
料理がマンネリ化しているな……と思ったとき、てっとり早く、そして大きく雰囲気を変えられるのも、油です。スープにいつもと違った油を使ってみると、簡単に印象が変えられます。
ただ油を加えるだけでも、コクや味わいが増すことは想像できると思いますが、さらにスープの場合には、油を使ってじっくり炒めたり煮込んだりするやり方次第で、素材の風味が油に溶け込んだ、複雑なおいしさを作りだすこともできます。
炒める、かける。油の2つの使いみち
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