「まだやってる」の尊さ
SPEEDとDA PUMPのメンバー全員が出演した映画『アンドロメディア』が公開されたのは1998年7月11日のことだから、ちょうど20年前のことになる。同月23日にリリースされたDA PUMPのファーストアルバム『EXPRESSION』は、発売1週間で50万枚を突破するも、オリコンチャート第3位だったというのだから驚く。そのDA PUMPがかなりのスパンを空けて、今、再び注目を浴びている。まだやっていたのか、と思った人は多い。以前、みうらじゅん氏にインタビューした時、「キープ・オン・ロックンロール」って「死ぬまでロックしようぜ」と訳されがちだけど、「まだやってる」っていう意味でしょう、と言っていたのがいつまでも頭に残る。「ロックンロール」よりも、むしろ「キープ・オン」に重心を置く姿勢。まだやってる、って尊い。
「批判なき政治」=「リアルな政治」
あれから20年、SPEEDの今井絵理子参議院議員は、東京都議会議員選挙を迎えるにあたって「今日から都議会議員選挙が始まります!『批判なき選挙、批判なき政治』を目指して」と記して、ズッコケさせた。その前の初当選直後には池上彰から、地元・沖縄の基地問題をどう考えるかを問われて、「これから向き合っていきたい」と答えて池上を困惑させていたから、なぜ「批判なき」の状況を作り上げたがるかといえば、国民のためというより、ご自分のガードのためなのだろうと推察される。
RADWINPS「HIROMARU」について感じたことは、2週間前にこの連載で記したので繰り返さないが、今井がこの曲についての考えをブログにアップし、RADWINPS・野田洋次郎も使った常套句「右も左もない」を用いつつ、「でもHINOMARUを見たとき、なぜか本能的に、そう意味もなく、高まる気持ちがそこにある」とした。この時代に愛国歌がポップに放たれたことに違和感を表明したのは、なぜか本能的に、そう意味もなく、高まる気持ちを活用されてきた歴史を踏まえようとしたからなのだが、こんな時にも彼女の「批判なき」が稼働するのだろうか。「批判なき政治」と言っていた今井のブログをそのまま読み進めていくと、「私は『リアル』を追求して『リアル』な政治をしていきたい」との宣言に行き当たる。シンプルな数式に落とし込んでみれば、「批判なき政治」=「リアルな政治」ということになる。一体どういうことだろう。
初デートは米軍基地
cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。
cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。