“セックスの予感”こそがエロである
【登場人物】
清田隆之
桃山商事・代表
1980年生まれの文筆業
森田雄飛
桃山商事・専務
同じく1980年生まれの会社員
ワッコ
桃山商事・係長
1987年生まれの会社員
清田 「あれが人生で最もエロい瞬間だったな~」というエロい恋バナを紹介していく「自分史上最高のエロ」、今回は後編をお送りします。
森田 俺は前編で「イタリアの淫夢」という自分の史上最高エロを紹介したんだけど、清田とワッコの話はまだ聞いてなかったよね。そこで今回は2人のエピソードをもとに、エロの知見を深めていきたいと思います。まずはワッコからお願いします。
ワッコ 知見が深まるかどうかは心もとないですが(笑)、私は「これからセックスするかも……!?」という“予感”にエロを感じることが多いんですよね。最近もそういう出来事があって、それが最新&最高になってます。
清田 おお、タイムリー!
ワッコ この前、飲み会ですごくイケメンな男性と出会ったんですよ。そしたらなんと、彼と私の住んでるマンションが偶然はす向かいだってことが判明して! 話が盛り上がって、お互い帰ったら窓から見える景色を撮って送り合おうと、LINEを交換したんです。帰りはタクシーになったんですけど、家が近いから一緒に乗ることになり、手が触れるか触れないかくらいの距離感にドキドキでした。
森田 エロいね。
清田 エロいね。
ワッコ 家に帰って携帯を見てみたら、彼から私の部屋が見えてる写真が届いてました。もちろん私も速攻でベランダから写真を撮って送って……。そのとき、「このやり取り、めちゃめちゃエロくない⁉」って興奮しましたね‼ いま思い出してもエロい気分に浸れます‼‼
清田 思い出しエロ(笑)。その後はどうなったの?
ワッコ 実は飲み会の時点で、彼には結婚する予定の彼女がいることがわかってたんですよ。だから彼とセックスすることはないと思います。そもそも、私は一連の行為に漂う「セックスの予感」に興奮したので、実際にするかどうかは重要じゃないんです。可能性に濡れたの。可能性濡れ。
清田 可能性濡れ(笑)。でも、期待感や可能性にエロさを感じるってのはよくわかる気がする。
ワッコ 正直、セックス自体にはあまりエロを感じないんですよね。
森田 ワッコはセックストークは尋常じゃなく好きなのに、セックス自体は別に好きじゃないってのが興味深いところだよね。まあ、話すのとするのは別か。
ワッコ 一応私にも客観的に見たらエロいんだろうなーっていう経験はあるんですよ。かなり昔の話ですけど、彼氏とお台場の花火大会に行ったときに、周りに人がたくさんいるところでフェラしたことがあるんです。
森田 おおう……いきなりトップギアに入ったな(笑)。
ワッコ 花火が打ち上がる前で、まだ周りが結構明るかったってことは覚えているんですが、どうしてその流れになったのかが全然思い出せなくて。文脈的に全然エロくなかったんだと思います。「変わった体験だったなあ」という感覚はあるけど、思い出してもエロいとは感じない。私にとっては、そういうアブノーマルなことよりも、はす向かいのマンションから写真を送り合う方がよっぽどエロい。
清田 話だけ聞くと花火大会の方がエロいのにね。
ワッコ スペックは圧倒的ですもんね。花火大会、アオカン、衆人環視、フェラ……エロのチェックボックスにスラッシュがたくさん入る。
森田 ねえ、これほんとにcakesに書いても大丈夫?
ワッコ 私は全然オッケーですが……。
清田 たくましい(笑)。
はす向いのマンションから、こんな写真を送り合ったワッコのエロ体験(※写真はイメージです)
恋人の裸を“覗き穴”から見たときの不思議な興奮
森田 清田代表の史上最高のエロは、どんなもんでしょうか?
清田 自分のは、ここで話すのがちょっとだけはばかられるエピソードなんですが……20代のときに付き合っていた恋人と温泉旅行した時の話で、そこには貸切の露天風呂があったのよ。