インスタグラムでのキラキラアピールについて考える

「インスタ映え」ということばが昨年の流行語大賞に入りました。実際、おしゃれな料理やラテアートの写真などを撮ってインスタにアップしている人は多いですね。ですが、そういう人たちは牛丼屋に行っていたとしても、牛丼の写真はなぜかアップしません。なぜインスタは、ここまで流行しているのでしょうか。他人の目線を意識した、アピールの加減について考えてみましょう。

ぼくの授業では毎回、感想などのコメントを学生に出してもらっています。面白いコメントを書いてくる学生は少なくありません。その中のひとつにこんなものがありました。「一橋のキャンパスを歩いていたら、髪の毛が濡れたまま歩いている子がいた。ウェットヘアだと普通なら思うかもしれないが、一橋で見ると、お風呂上がりで時間がなくて、そのまま来ちゃったみたいに見える」と(笑)。この観察眼の鋭い学生はこの4月からうちのゼミに来てくれました。

ぼくが教えている一橋大学は東京の郊外の多摩というところにあります。うちの学生たちは素直でナイスな若者たちなのですが、「自分たちは東京の田舎にある大学の学生だ。慶應とか上智みたいなキラキラした学生生活とは縁遠い」というある種のコンプレックスを抱いているようです。そんな「田舎」のキャンパスだと、ウェットヘアはウェットヘアに見えないというのです。

このようにファッションというのは難しいものです。自分がオシャレだと思っても、見ている人がどう解釈するのか分からないからです。人にどう見えるのかを考えて、自分の言動やファッションを決めることを「鏡に映る自己」と呼ぶと、「スタバでMacを開くとドヤリングになるのか問題」で説明しました。これは、前回説明した印象管理(インプレッション・マネジメント)でもあります。今回は、この印象管理について深掘りしましょう。

「インスタ映え」ということばが、昨年の流行語大賞に入りました。実際、インスタ映えするメニューを出す飲食店が多くなりましたね。実際、料理とかラテアートの写真などを撮ってアップしている人って多いです。そんな人は、カプチーノやマキアートを飲みたいからカフェに行っているのではなく、インスタにオシャレな写真をアップしたいから行っているのかもしれません。これはまさに印象管理です。その人は、もしかしたら牛丼も食べているかもしれませんが、牛丼の写真はなぜかアップしません。

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今さら聞けないマーケティングの基本の話

松井剛

何気なく使っているマーケティング用語。そのことばの裏には、あなたのビジネス、さらには世の中の見方を変える新たな視点が隠れています。一橋大学経営管理研究科・松井教授が、キーワードをゆったりと、しかし的確に解説するこの連載。他人の成功体験...もっと読む

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コメント

charuko https://t.co/rUfvCJBFnY 2年以上前 replyretweetfavorite

shimauma_tokyo5 その通りだと思います! 2年以上前 replyretweetfavorite