婚活パーティに、白馬の王子様は現れない
「婚活パーティに、白馬の乗った王子様は現れません」。
結婚がしたい、結婚がしたい、と呪文のように唱えながら婚活パーティに参加していた私の目に飛び込んできたパンフレットに書いてあったこの言葉が、私の婚活ライフを根底から覆しました。
それまでの私の理想は185センチ以上で、区役所に勤めていて、昔からの飲み友達が3人以上いて、
俳優の田中圭さんに似ていて、私を確実に幸せにしてくれて、
お金をかけない趣味を持っていて、私よりよく食べて、
ユニクロをユニクロっぽくなくおしゃれに着こなし、私の27センチの足より大きな足を持っていて……。
やばい、まだまだ何ページでも書けそう。理想だけを語って朝まで飲めそう。
この言葉に出会うまでは、本当にすべての理想を兼ね備えた人と巡り会えるって信じていました。
婚活パーティにはロバしかいない!?
だけど、婚活パーティに100回参加しても王子様に出会えないという現実を前にすると、
理想だけを語って朝まで飲んでる場合じゃないということに気がつくんです。
そして、「白馬に乗った王子様は現れません」と言われた途端に、
目の前にいる男性がロバ(あら私ったら失礼しちゃう)に見えるようになりました。
とにかく、婚活パーティにはロバしかいないと思えるようになった途端、
それまでの理想をえぐれるほど削ぎ落とすことに抵抗がなくなったんです。
そうやって削ぎ落とした結果、唯一の理想は関東近郊出身の次男坊というところまで絞り込めました。
その理由は、保育園児だったころにまで遡ります。
物心がついたばかりの私に大きなショックを与え、結婚相手の理想にまで影響を与えているのは、
二世帯住宅を舞台にそこで巻き起こるドタバタ劇を描いた
『ダブルキッチン』(1993年に放送され、平均視聴率22.3%の大ヒット!)というドラマ。
その中で、旦那側の法事に呼ばれた嫁(山口智子さんが演じていました)が、
名前ではなく「長男の嫁」と呼ばれた回数を、メモに正の字で書いて数えるシーンがあるのです。
このシーンを観た保育園児の夏子は、「長男の嫁」という立場に恐怖を覚えました。
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