チェルノブイリで見たものは【前編】

旅する評論家・東浩紀さんによる連載放談。今回はチェルノブイリへ取材に行ってきました。1986年の事故から27年が過ぎた今、立入禁止区域内で著者が一番驚いたのは、廃墟や事故の爪痕ではないと言います。著者がチェルノブイリで見たものとは――。
"自分" や "目的" 探しではなく、新たな "検索ワード" を探す旅へ。PR誌「星星峡」(幻冬舎)で人気を博する連載が、ついに検索できるようになりました!

チェルノブイリツアーを取材して

 四月八日から一週間、津田大介さんや開沼博さんとともに、チェルノブイリに取材に行ってきました。

 この連載でもたびたび触れてきたように、僕は昨年の秋ごろから、「福島第一原発観光地化計画」というプロジェクトを立ち上げ、定期的に研究会を開いてきました。今回、福島について考える上で、福島のいわば「先輩」にあたるチェルノブイリの状況を知ろうと思い、ウクライナを訪れました。原発周辺の見学ツアーに参加し、政府関係者や旅行会社関係者にインタビューを行っていて、その成果は六月下旬に出る『チェルノブイリ・ダークツーリズム・ガイド』という本で世に問います。

チェルノブイリ・ダークツーリズム・ガイド 思想地図β vol.4-1
チェルノブイリ・ダークツーリズム・ガイド
思想地図β vol.4-1

 詳しくはそちらの書籍を参考にしてほしいのですが、道中、さまざまな驚きや発見がありました。なかでも一番の発見は、チェルノブイリ市がいまも多くの人の生活の場となっているということ。チェルノブイリ原発から三〇キロメートルを目安とした地域は、「ゾーン」と呼ばれる立入禁止区域に設定されており、許可無く立ち入ることはできないし、住むことも許されていません。チェルノブイリ市は、原発そのものからは一五キロメートル以上離れているものの、やはりこの「ゾーン」内に含まれ、ウクライナ人でも自由に入ることはできない。

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この連載について

検索ワードをさがす旅【第2期】

東浩紀

検索すればあらゆることがわかる時代。日々たくさんの情報に埋もれているけれど、果たして本当に欲しい情報はなんなのか。その検索ワードはどこから思いついたのか。テーマはズバリ、「若者よ、スマホを持って旅へ出よ」。ただし、自分や目的を探すので...もっと読む

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コメント

lpggass なんだケイクスも結局そんなんか。 https://t.co/TU0wCQRmJK 5年以上前 replyretweetfavorite

buttakuncat 2014年。日本全体が立ち入り禁止区域になり、「ニッポン・ダーク・ツーリズム・ガイド」ブックに掲載されないことを願う。 5年以上前 replyretweetfavorite

buttakuncat 「ゲンロンカフェ」って、コーヒーとか、チョコレート・ドリンクとか飲めるんですか?それとも「出版社のオフィス」なんですか? インドにいますので 5年以上前 replyretweetfavorite

kohtan 思想地図もよみたくなってくる。 5年以上前 replyretweetfavorite