桃山商事の恋バカ日誌

自分史上最高のエロ」をみんなに聞いてみた

「失恋ホスト」として数々の恋愛相談を受けてきた恋バナ収集ユニット「桃山商事」のお二人が、新感覚の恋バナ談義を繰り広げるこの連載。今回からは新メンバーとしてワッコ係長を加えた三人で、「自分史上最高のエロ」話を軸にしたエロ鼎談を繰り広げます。

セックスとトランス状態の意外な関係

【登場人物】

清田隆之
桃山商事・代表。
1980年生まれの文筆業

森田雄飛
桃山商事・専務。
同じく1980年生まれの会社員

ワッコ
桃山商事・係長
1987年生まれの会社員

清田 桃山商事の恋バナ連載、今回からワッコ係長が加わります。

ワッコ よろしくお願いします! アラサー、独身、巨女で、普段は会社員をしている、係長のワッコです。

清田 情報過多な自己紹介(笑)。

森田 ワッコ係長は身長178cmで、清田代表は164cm。二人が並ぶとインスタ映えします。それはさておき、ワッコの話はこれまでもちょいちょい出てきてるよね。今回は「自分史上最高のエロ」という、新体制の初回にふさわしいテーマでお送りします。

清田 どんなふさわしさだよ(笑)。これはいろんな人から「あれが人生で最もエロい瞬間だったな~」って話を聞き集めた企画で、自分たちの体験談も振り返りながら、「エロとは何か」という深遠な問いについて考えていきたいと思います。

ワッコ わたし、今回の収録に向けて桃山商事のPodcast「二軍ラジオ」の放送回を聴き直したんですけど、「カーセックスで興奮した」っていう女性の話がすごいよかったです。

清田 あれ最高だったね。カーセックスのお相手である彼氏の車の窓には、スモークが貼られてなかったんだよね。彼女は体勢的に下になっていたから窓が目に入っていて、外から誰かに見られるんじゃないかとドキドキしていたんだけど、二人の熱気で窓ガラスが曇った。それを見て彼女はかつてないほどエロい気分になったというエピソードで。

ワッコ 窓が曇るほどの熱い愛……。それほどの熱気ってやばいですよね。スモークいらず(笑)。

清田 真夏の東京ビッグサイトで発生するという伝説の“コミケ雲”みたいな話だよね(笑)。そして、自分たちから発せられた熱気のすごさによりいっそう興奮するという……まさにエロの永久機関!

ワッコ ただ、彼女は彼じゃなくて車の窓を見ているわけだから、どこか俯瞰してますよね。それだけ聞いたら、セックスに集中してないようにも感じるんですよ。

森田 そうか、いわゆる「いいセックス」って、お互いが相手に集中してるイメージがあるもんね。

ワッコ 女友達とよく話すんですけど、セックスしてるときって、天井のシミとか壁紙とか、景色が妙に気になるんですよね。で、それは自分がエロい気分になっていないからだと思ってたんです。でもさっきのエピソードだと、逆に情景がエロい気分を加速させている。

清田 もしかしたら、彼女は軽い“トランス状態”に入っていたのかもしれない。トランス状態って「我を忘れる」的なイメージがあるけど、実はそうじゃなくて、自分の内側と外側に意識がバランスよく向いて、全体をふわっと把握できる状態なんだって。ちょうど最近読んだ『あなたは、なぜ、つながれないのか:ラポールと身体知』(高石宏輔 著)という本に詳しく書かれていた。

森田 なるほど。スポーツでいうところの「ゾーン」みたいなものなのか……って、カーセックスとゾーンが結びつくなんて思いもしなかったけど(笑)。ゾーンは意識してその状態になれるものでもないらしいから、そこも似てる気がする。

ワッコ 確かにこれ、「カーセックスすれば最高に興奮できる」っていう話じゃないですよね(笑)。

清田 彼の興奮や自分の身体的な快楽、車の中というシチュエーションや外からのぞかれないかというヒヤヒヤ感、そして自分たちの熱で曇る窓など……いろんな要素が絶妙に混じり合ってトランス状態に入り、それが史上最高のエロにつながったのかもしれないね。

「エロい」は「エモい」と同じなのか

ワッコ 女性から番組にご投稿いただいたエピソードの中に、「瀬戸内海の島にある美術館に行ったときに、なぜか倉庫の鍵が空いていて、そこで当時の彼とセックスしたのが史上最高のエロだった。絵の具の匂いがした」って話がありましたよね。これもセックスそのものより情景ありきのエロだったのではと思いました。カーセックスの話にも通じますよね。

森田 「絵の具の匂いがした」ってところが、とにかく最高だよね。

ワッコ 「エロい」って、感覚的には「エモい」と似てるところがあるなと思うんですよ。匂いって、エモいじゃないですか。「この匂いをかいだらおばあちゃん家を思い出す」とか。

清田 匂いの記憶ってあるよね。

森田 このエピソードを投稿してくれた女性も、絵の具の匂いをかぐ度に美術館でのセックスを思い出しているかもしれない。そういう意味では「記憶の強化」もエロに関係してるのかもね。匂いっていう刺激がトリガーになって記憶が呼び起こされ、強化されていくという……。

清田 ちなみにこの美術館のエピソードは、最新作『メゾン刻の湯』が話題で、このcakesでも連載している作家の小野美由紀さんが投稿してくれたエピソードでした。さすがの描写力……!


美術館のある島から広がる瀬戸内海の景色
「ちなみに、絵の具の匂いをかいでも思い出しません!」(by小野さん)

手渡されたブラジャーはなぜエロかったのか

清田 次はちょっと方向性の違うエピソードを紹介します。これも二軍ラジオで出てきたエピソードで、「浮気相手の女性にブラジャーをもらったときが、史上最高のエロだった」っていうのがありました。

森田 それだけ聞くと、ちょっと倒錯した感じがする。

清田 彼は同僚女性と浮気していたんだけど、頻繁に二人で会うことはできないから、あるとき「下着をくれ」ってお願いした。そしたら彼女は、その場でブラジャーを外して「はい」と渡してくれた。その瞬間が、彼にとっての自分史上最高のエロだったという……これまたいい話(笑)。

森田 彼はそれから、そのブラジャーを引き出しから取り出しては欲情していたらしいね。ただ、これって下着が単にモノとしてエロいってわけじゃないと思うんだよ。もちろんその要素もあるんだろうけど、どちらかと言うとそこに貼り付いているエピソードがエロい。

清田 ハードル高めなお願いに彼女が応えてくれたっていう、その“ジャンプ感”も関係してるような気がする。期待と実現性の間にあった距離の分だけ興奮も大きかった的な。

ワッコ これ、下着をもらったっていうところが、いいと思うんですよね。「精子飲んでくれ」って頼んで飲んでもらうのとはちょっと違うというか。

森田 え?ちょっと待ってよ(笑)。どういうこと?

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桃山商事の恋バカ日誌

森田雄飛(桃山商事) /清田隆之(桃山商事) /ワッコ(桃山商事)

2001年の結成以来、「失恋ホスト」として1000人以上の男女から恋のお悩みやエピソードを聞き続けてきた恋バナ収集ユニット「桃山商事」がお届けする、新感覚の恋バナ談義。普段ほとんど語れることのない恋愛の様々なテーマを毎回ひとつ取り上げ...もっと読む

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