ビニール傘を購入するより、タクシーに乗ったほうが安い

「仮想通貨なんてめんどくさい」「株式投資はよくわからない」 「……だけど、お金については、なんとなく不安」貯金、投資、節約――結局なにをどうすればいいのか、わかりやすい答えが知りたい……! そこで、「お金のプロ」である田口智隆さんの著書『入社1年目のお金の教科書』より、お金の貯め方、使い方、増やし方まで、20代におさえておきたいお金の基本をご紹介します。


「所有」ではなく「シェア」する時代へ

ひと昔前まで、家計における三大支出は、「家」「車」「保険」でした。

住宅ローンを組んでマイホームを手に入れ、自動車ローンでマイカーを購入し、万一に備えて生命保険に入る。いずれも高額で、長い時間をかけて毎月支払いを続けることになるので、家計に占める割合は当然大きくなっていました。

しかし、今は「所有」する時代ではなく、「シェア」する時代です。何でもかんでも自分のものにするのではなく、使った分だけ支払うのが当たり前になってきています。

たとえば住居に関していえば、マイホームをもって初めて一人前という時代の雰囲気がありました。しかし、今では若い人を中心にマイホーム信仰は崩れ去っています.賃貸で住みたい地域や物件に住むほうがクールだとされています(住居費についての考え方はあとでくわしく述べます)。

また、若い人の間では、シェアハウスも一定の支持を得ています。友人と部屋をシェアすれば、広めの部屋に安価で住むことができます。誰かといっしょに住むことが苦にならない人であれば、住居をシェアするという発想もありでしょう。

車についても、若者の自動車離れが加速しています。

地方に住んでいて通勤に利用するなら自家用車は生活必需品といえますが、少なくとも都心では車をもたなくても十分に生活は成り立ちます。都心は公共交通網が発達しているので移動はラクですし、渋滞に巻き込まれる心配もありません。

また、コストの面でも車を所有することは大きな負担になります。自動車ローンはもちろんのこと、駐車場代やガソリン代、税金、車検料など維持費用もバカにならないのです。

したがって、都心でマイカーを所有するくらいなら、タクシーやレンタカーを活用したほうが安上がりです。

もちろん、移動のたびにタクシーを利用するのはムダ使いですが、荷物が多いときや天候が悪いときなど必要に迫られたときはタクシーに乗ってもいいでしょう。少なくともマイカーを所有するよりは圧倒的に安くすみます。

ちなみに、東京では初乗り運賃が 4 1 0 円に値下げされて、気軽に利用しやすくなりました。突然の雨に降られて 5 0 0 円でビニール傘を購入するよりもワンメーターで移動できる距離ならタクシーに乗ってしまったほうが安いのです。

また、ちょっとした旅行に出かけるときも、レンタカーを借りれば事足ります。車を使うような遠出は、せいぜい月に 、 度でしょうから、そのためにマイカーを所有するのはコストパフォーマンスが悪いといえます。

生命保険は積み重なると大きな出費になる

保険についても以前は、若い人でも生命保険に加入するのが当たり前でした。今では少なくなりましたが、かつては保険の外交員が会社にやってきて、新入社員に保険に入るよう勧誘していたものです。

万一のときを考えると保険に入っていたほうが安心するかもしれませんが、毎月の保険料が積み重なると大きな出費になります。月 万円の保険に加入したとしたら、1年で 24万円、10年で240万円、40年払い続けたとしたら960万円になります。

第5章でもくわしく述べますが、あくまで保険は万一の事態が起きたとき、自分や家族が金銭的に困らないようにするためのセーフティーネットです。

扶養する家族がいないのであれば、仮にあなたが亡くなっても金銭的に困る人はいません。また、ある程度の貯金があり、入院費用を捻出できるのであれば、保険に入っていなくても事足ります。とくに20代の健康な若者であれば、病気で入院するような機会はそうそうありません。

もちろん、保険に入っていて救われるケースもありますが、その一方で、毎月決まった額の支払いが積み重なっていくことは考慮すべきです。

「スマホ代」の差はバカにできない

「人生の三大支出」と聞いて、何を思い浮かべるでしょうか。

一般的には、「住居費」「教育費」「老後の生活費」の3つといわれています。

しかし、入社1年目のあなたには、あまりピンとこないかもしれません。教育費は子どもが産まれてからの話ですし、老後の生活費は40~50年先のことです。また、実家から通っている人なら、当面は住居費も関係ないかもしれません。

もちろん、将来的にこれら つの支出は大きな負担になってくるので、長い人生を見据えて、毎月の給与から投資(貯金を含む)にまわす必要があります。

ただ、本書は入社1年目の若者が対象なので、ここでは「入社1年目の三大支出」に絞って述べていきましょう。

20代の若者が賢くお金を使うために、次の3つの出費に注意が必要です。

① 通信費

② 住居費

③ コト消費

固定費カットは節約効果が大きい

まずは、通信費から説明していきましょう。

一人暮らしの若い人のほとんどは固定電話をもっていないでしょうから、実質的には「通信費=スマートフォンの通信料」となります。若い人ほどスマホの利用頻度が高い傾向にあるので、入社1年目の皆さんは、とくに通信費に注意を払うべきです。

通信料は、毎月支出される「固定費」です。

固定費は家賃などと同じ、毎月決まって出ていく金額ですから、消費のなかでも大きな割合を占めることになります。したがって、お金を節約しようと思えば、この固定費をいかに抑えるかがポイントとなるのです。

あなたは、スマホ代にいくら費やしているでしょうか?

月に1万円以上払っている人もいるかもしれません。月額1万円だとしたら、1年で12万円、10年で120万円にもなります。入社1年目のあなたにとっては、決して小さい額ではありません。

もちろん、「スマホをもたない」という選択はできないでしょうから、できるだけ毎月の支払い額を小さくすることを考えましょう。固定費は毎月の支払いですから、いったん低く抑えることができれば、その節約効果は大きくなります。

最近では、三大キャリア(ドコモ、 a u 、ソフトバンク)のほかに、格安スマホ(格安S I M)も選べるようになっています。同じようなプランでも格安スマホは半額以下で利用できるので手っ取り早く固定費を下げることができます。機能面で大きくは変わらないのであれば、格安スマホに乗り換えるのもひとつの選択肢になるでしょう。

長い目で見ると、スマホ代が月 8 0 0 0 円かかっている人と月 4 0 0 0 円ですむ人とでは、節約できる額に大きな差が生まれます。

無料の通話手段を活用する

最近はスマホの通話料などを安くすませる手段もたくさんあります。

たとえば、私は誰かに電話をかけるときは、フェイスブックの通話機能を使ってい ます。通話料はかかりませんし、クリアに相手の声も聞こえます。通話をするうえで はまったく支障はありません。 L I N E の通話機能なども通話料はかかりませんので、こちらを利用してもいいでしょう。

また、スカイプであれば通話料ゼロでテレビ電話ができますし、海外にいる家族や友人と時間を気にせずに話すことができます。

ぜひいろいろと工夫をして通信費を下げる努力をしてみてください。

*次回『お金が貯まる人ほど、職場の近くに住んでいる』は、6月15日(金)更新予定*


この連載について

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入社1年目のお金の教科書

田口智隆

「仮想通貨なんてめんどくさい」「株式投資はよくわからない」 「……だけど、お金については、なんとなく不安」貯金、投資、節約――結局なにをどうすればいいのか、わかりやすい答えが知りたい……! そこで、「お金のプロ」である田口智隆さんの著...もっと読む

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コメント

panichan2000 でも傘は形のして残るじゃないか QT 3日前 replyretweetfavorite

muzunobuhij https://t.co/oovJsFr3xy 5日前 replyretweetfavorite