坂爪真吾
「
色気づいている高齢者がウザい」「生殖なきを生きる意味はあるの?」——カテゴライズってなんだろう?
週刊誌の「死ぬまでセックス」特集の中吊り広告、介護施設での色恋沙汰……。それらの報道を見て「高齢者が性を追及する意味はあるの?」とネガティブなイメージを抱く人もいるでしょう。しかし現在の日本では、むしろ「生殖なき性」を生きている人のほうがマジョリティかもしれません。「生殖」というカテゴリーにこだわって「生殖なき性」を無意味なものと考えていませんか? 『孤独とセックス』では“当たり前”とされる価値観に斬りこみます!
●性的マイノリティ② 高齢者の性
障がい者と同様、高齢者というカテゴリーに対しても、様々な社会的スティグマが付随しています。
18歳の男子から見れば、65歳以上の高齢者、そして75歳以上の後期高齢者に対しては、「世代間対立」「老後の貧困」「老害」といったネガティブなイメージしか抱けないかもしれません。
そして高齢者の性に関しては、それに輪をかけてネガティブなイメージが湧き上がるかもしれません。週刊誌の「死ぬまでセックス」特集の中吊り広告、介護施設での色恋沙汰、高齢者による児童買春やストーカー事件などの報道を見て、「色気づいている高齢者がウザい」「生殖なき性を生きる意味はあるの?」と思っている人もいるかもしれません。
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この連載について
坂爪真吾
高校の三年間、友だちは一人もできなかったし、恋人も作れなかった。恋愛もセックスも何一つできなかった。一発逆転を賭けて東大を目指すも、センター試験は全教科白紙で提出。すべてから逃げ出した坂爪少年は「卒業式が終わったら、自殺しよう」と決意...もっと読む
著者プロフィール
坂爪真吾(さかつめ・しんご)
1981年新潟市生まれ。一般社団法人ホワイトハンズ代表理事。東京大学文学部卒。
新しい「性の公共」を作る、という理念の下、重度身体障がい者に対する射精介助サービス、風俗店で働く女性の無料生活・法律相談事業「風テラス」など、社会的な切り口で現代の性問題の解決に取り組んでいる。
2014年社会貢献者表彰、2015年新潟人間力大賞グランプリ受賞。
著書に『セックスと障害者』(イースト新書)、『性風俗のいびつな現場』(ちくま新書)、『はじめての不倫学』(光文社新書)など。