・遺伝子を書きかえて 遺伝子を書きかえて 増殖するウイルスの実態 増殖するウイルスの実態
本書『最強の健康法 病気にならない最先端科学編』ではさまざまな病の予防、治療法を見てきたが、第1章の最後に、あらゆる病気をもたらす外的要因として思い浮かべる「ウイルス」を取り上げる。しかし、そもそも「ウイルス」とはどういうものか、と問われて、はっきりと答えられる方は少ないのではなかろうか。
「ウイルス」と聞いて、身近なものとして思い浮かぶのはインフルエンザウイルスではないだろうか。毎年、秋から冬になると、決まって予防接種が話題となるが、そもそもウイルスとは何なのだろう。実は、私は生まれてこの方、一度もインフルエンザにかかったことがない。予防接種も受けたことがない。
一方、毎年のようにインフルエンザにかかる人もいる。同じウイルスなのに、これほどの違いが出るのも不思議である。そんなところも含めて、ウイルスというものの実態をつかむべく、京都大学名誉教授・畑中正一氏に話を伺った。
・専門家が簡単解説!「ウイルス」の仕組み
「一言でいえば、ウイルスとは『生物の細胞内でしか増えることができない無生物』です。生物と無生物の定義の問題もありますが、ウイルスは生物の細胞を利用して増えるものであり、自ら繁殖できないことから、現在は『無生物』とされています。
そして中には、生物の細胞を利用する際に、元の細胞の遺伝子を変化させ、その生物に害を与えるウイルスもあります。風邪やインフルエンザウイルスなどはその代表です。
私たちの遺伝子は、タンパク質を作る働きを担っていますが、ウイルスは、遺伝子が細胞を作る過程をいろいろと変えてしまいます。その結果として表れた一つのかたちが「病気」なのです」
私たちの体の細胞は、すべて同じDNAをもっていながらも、目には目、心臓には心臓それぞれの役割がある。これに対し、ウイルスの遺伝子がいろいろと細胞の働きを変えてしまうという。世の中には無数の種類のウイルスがある。
そのうち病気という害悪をもたらすものと、人類はずっと戦ってきたのだ。
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