話を引きずり出す「なるほど」(相づち)のリズム

『聞きたいことを聞き出す技術』の著者・反町理さんは、一緒に番組をやっている女性キャスターに、「反町さんには、納得したときの『なるほど』、納得していないときの『なるほど』、話を終わらせたいときの『なるほど』がありますね」と言われたことがあるといいます。反町さんご自身は「なるほど」は話を促すときにいちばん使われるそうですが……相手の話を引きずり出すときの「相づち」についてうかがいます。

■技術17 煮詰まったときは「パートナーシップ」を活用

番組中にキレてしまったゲスト

 番組の中で僕は常に冷静であるように努めてはいますが、実は着火点は低いほうかもしれません。

 二つの政党からお一人ずつ、計二人の政治家をお迎えしたときのことです。CMの時間に一方の議員の秘書の方がつつっと議員に歩み寄って、耳打ちしました。

「先生の発言時間が短いですよ」

 声をひそめていましたが、スタッフの耳には確かにそう聞こえました。するとCMが終わって、番組が再開した途端、その議員さんが怒りだしたのです。

「なんで俺に話させないんだ。反対側の意見ばっかり紹介して、この番組は偏ってるぞ!」

 本番中ですから、そのまま電波で流れてしまい、困りました。困ったというより、僕は腹が立った。正確に測ったら、もしかしたらその議員の発言時間は少し短かったかもしれませんが、その議員にしっかり伺うコーナーはこれからでしたし、事前にもそのように説明していたからです。議員さんとしても秘書にそう言われては、暴れざるを得なかったのかもしれません。

「それは失礼しました」と謝った上で話を進めようとしましたが、その議員の怒りは収まらず、「俺、帰るぞ」とまで放送中に言い出す展開に。僕は本当に「すみません。今日はどうもお疲れさまでした」と言いそうになりました。そのとき、女性キャスターが隣から、「まあまあ、先生、次の質問がありますから、お待ちください」と、とりなしをしてくれたのです。つくづく二人でやっていてよかったと思いました。

「チェンジオブペース」の必要性

 良くも悪くも僕は約二時間の番組の間、ずっとゲストと向き合っていますから、疲れて煮詰まってくることがあります。それを傍で冷静に見て、調整してくれる人が必要なのです。「チェンジオブペース」ですね。

 舛添さんのときも、初めから警戒されていて、何を聞いても「精査します」としかおっしゃいません。そんなとき、女性キャスターがポンッと「ご家族ともこの話をされますか?」と質問して、それで舛添さんがはっと我に返るような瞬間がありました。

 僕は柔らかく寄り添うようにして聞き出すということはできません。真正面から向き合って、質問しながら覆いかぶさっていくようなところがあるので、もう一人、「クッション」役になってくれる人がいると、ゲストもほっとするのではないでしょうか。

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聞きたいことを聞き出す技術

反町理

「プライムニュース」看板キャスターが究極の話術40を初公開! のべ6800人を超えるゲストを迎え、〝たてまえ〟の政治家からも〝本音〟を引き出す著者が、相手の心を掴み、また話したくなると言ってもらえる知られざる極意を伝授!

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