生まれて初めてのマイホーム

長野県東御市で「パンと日用品の店 わざわざ」を営む平田はる香さん。平田さんが公開した記事「山の上のパン屋に人が集まるわけ」が大いに反響を呼び、独自の経営スタイルや働き方に注目が集まっています。
夫の転勤に伴って長野に移住した平田さん。当初、東京に帰ることを渇望していましたが、徐々に長野の魅力の虜となり永住を決めました。今回は土地探しと、移住に欠かせないマイホームづくりです。


うつむき加減にそっと咲くオダマキ

どうしても住みたくなった場所

10年前の11月、私たち夫婦はこの土地に家を建てて引っ越してきた。夫の転職が決まると同時に土地探しを始めて、もっと田舎へもっと遠くへ。できるだけ都会の喧騒から離れて、自然に囲まれて暮らしていきたい。たった数年でここまで考え方が変わるなんて思いもよらなかったけれど、家庭菜園をきっかけに緑に触れるばかりでなく、いつ何時も緑に囲まれることを望むようになっていったのだった。

なんどもなんどもドライブをして、どうしても住みたくなった場所があった。それが長野県東御市御牧原。坂を登って山の上にたどり着くと、穏やか地平線が連なっていく。山を登ったにも関わらず、なぜか台地が続いている。とても不思議な地形で最初に来た時にとても驚いた。空気が澄んだ日の遠く西の空には、北アルプスがうっすらとしかし雄大にうつり、東には浅間山がくっきりと浮かぶ。北側には蓼科山まで見渡すことができ、360度パノラマビュー。人家は数えるほどしかなく、田畑ばかりが続いていく。朝に来ても、昼に来ても、夕方に来ても、雨の日も晴れの日も雪の日も、いつ来てもいい。変わったものは何にもない。信号機もない。夜は街灯すらなく真っ暗で何も見えない。この辺りで暮らしてみたい。ここに売地、出ていないかな?

近所の不動産を探してみると、ちょうど3つ4つ近隣で売りに出ている土地があって、早速見せてもらうことにしたのだけれど、1つ目であっさりと恋に落ちた。ここがいい。その後、数件見せてもらった土地には何の興味も湧かなかった。最初に見たあそこにしよう。あそこが絶対いい。


家の裏からため池を望む

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わざわざ平田の思索日記

平田はる香

長野県東御市にある「パンと日用品の店 わざわざ」。山の上の長閑なこの場所に、平田はる香さんは2009年にひとりでお店を開きました。平田さんがnoteで公開した記事「山の上のパン屋に人が集まるわけ」が大いに反響を呼び、独自の経営スタイル...もっと読む

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コメント

443Waka 自分たちが家を建てた時のことを思い出したり、羨ましく思ったり、、、 もっと田舎へもっと遠くへ。 中途半端な田舎(笑)暮らしの私だけど、すごく共感する。今後がますます楽しみ! 『 1年以上前 replyretweetfavorite

toshiakinksm 平田はる香さんの文章、好きだなぁ。 そして、このマイホームの「リアル間取りー」が知りたくなる。 この連載、楽しみだ。 1年以上前 replyretweetfavorite

wksgknch 良い話しだなー→ 1年以上前 replyretweetfavorite

eichitano その全てが優しく愛おしい。 1年以上前 replyretweetfavorite