澤宮優
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第4回】小笠原道大(96年日本ハム入団)
ダイヤの原石を発見し、口説き落とし、育て上げる。プロ野球チームを陰で支えるスカウトたちの眼力と技術力と人間力は、どんな組織にも通用する知恵の宝庫だった! 最終回となる今回のcakesでは、小笠原道大選手を大成させた、日本ハムのスカウト田中幸雄氏、三沢今朝治氏両名のエピソードをご紹介。
得難い長所を活かすためにコンバートする
スカウトの役目は、選手と入団契約を結んだ時点で終了する。ところが、彼らは入団後の選手生活にも深く関わっている。本来、選手を指導するのは監督やコーチの役目である。だがスカウトは選手の技術的な長所、短所、性格、家族環境、生い立ちなど、すべてを知っている。
守備はお粗末だが、打撃が捨てがたい選手に、未経験のポジションを守らせ成功したケースがある。一種の博打だが、コンバートに成功して、2000本安打を達成したのだから驚きである。彼の名は日本ハム(後北海道日本ハムファイターズ)、読売巨人軍で主軸を打った小笠原道大である。
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この連載について
澤宮優
ダイヤの原石を発見し、口説き落とし、育て上げる。プロ野球チームを陰で支えるスカウトたちの眼力と技術力と人間力は、どんな組織にも通用する知恵の宝庫だった! 伝説の名スカウトたちに学ぶ、口説きの奥義。
著者プロフィール
ノンフィクション作家。主にスポーツから文学、映画、歴史、教育まで幅広く執筆している。『巨人軍最強の捕手』(晶文社)で第14回ミズノスポーツライター賞優秀賞を受賞。主な著作に『この腕がつきるまで 打撃投手、もう一人のエースたちの物語』(角川文庫)『三塁ベースコーチ、攻める』『ドラフト1位 9人の光と影』『ドラフト外這い上がった11人の栄光』『中継ぎ投手 荒れたマウンドのエースたち』『ひとを見抜く 伝説のスカウト河西俊雄の生涯』(以上河出書房新社)『昭和の仕事』(弦書房)『戦国廃城紀行 敗者の城を探る』(河出書房新社)など多数。