管理人が残した意味深な言葉

【管理人の夢⑬】
夢の管理人」のマニュアルにはいくつかの注意点が書かれていた。どれもそんなに難しいことではなかった。「夢の中では『何でもできる』ということを忘れないでください。いい意味でも、悪い意味でも」。そうおじさんは最後に言った……
<WEAVERの河邊徹がドラムスティックからペンに持ち替えて描いた作家デビュー作!>

イラスト:堀越ジェシーありさ



【注・必ず扉を閉めてもらいましょう。そこで初めて夢と夢工場は切り離され、訪問者の夢は夢ではなくなります。その瞬間の感覚の変化に驚く方も多いでしょう】

「感覚の変化……? 私そんなの感じなかったけど」

「夢の感覚に長けた人は、その変化をとてもスムーズに受け入れられるんです」

 そういうものなんだ。私はやっぱり普通じゃないのね。

「私もそうだったと思うんだけど、多分ここに来た人は夢工場についてたくさん質問すると思うの。それには全部答えてあげた方がいいの? あの工場の部屋とか、見せてあげたいけど」

「そうですね、向こうが質問したことには、可能な限り答えてあげてください。でも必要だと思った時以外は、工場の仕組みまで説明しなくても大丈夫ですよ」

「親切すぎなくていいってことね」

 ふむふむ、と思う。

「僕は特に、夢工場のせいで、その人の人生に良くない影響を与えてしまった時は、しっかりと夢工場の仕組みまで共有してあげるようにしています」

「ちょっと責任を感じてるってことね」

 ページをめくると、イラストがカラーで載っていた。部屋の中に、カラフルな風船がたくさん詰まっている。

「この絵は何?」

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夢工場ラムレス

河邉徹

WEAVERのドラマー・河邊徹の作家デビュー作。バンドで作詞を担当してきた河邊の 〝言葉の世界〟をドラムスティックからペンに持ち替え、描いた「夢」をテーマにした長編作。 ...もっと読む

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