イラスト:堀越ジェシーありさ
次の朝、私は目が覚めた瞬間に、ハッと飛び起きた。
ここはどこかと思い、辺りを見回す。いつもの私の部屋のようだ。反射的に時計を確認したが、アラームが鳴る十分前だった。良かった、こんな時に遅刻までしたら最悪である。いつもならもうちょっと寝れる、と思うのだが、今日はもう頭がスッキリしている。
私は仕事に行く支度をする前に、机の上に置いてあるノートにメモし始めた。日付けと夢の中であったことを書いていく。
さっきまでのは、ただの夢じゃないはずだ。こんなことをもし職場の人に言えば、「頭がおかしくなったのか?」などと反応されてしまうだろう。特に崎田なんかは「そんなこと考えてるからミスするんじゃないのか?」とまで言ってきそうである。でも、私はもう信じている。
私は覚えている限りの詳細をノートに書いていった。今日の新鮮な気持ちを、ちゃんと残しておきたかった。いつかオリジナルの漫画を描く時に役立つかもしれない。
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