痴漢をしてしまいそうな自分が怖い」—依存症としての性犯罪

性犯罪に手を染める男性は「女性から相手にされない、モテない」といったステレオタイプのイメージが広まっていますが、実は約4割が妻や子供を持った既婚者なのだとか。また、痴漢行為が常習化した男性には「自分は悪くない」と都合よく理由づけした発言が多く見られるそうです。「男性は自分がどのような感情に囚われているのか、その背景には何があるのかを理解できない」と指摘する坂爪さん。『孤独とセックス』では私たちの社会に残っている性差別的な価値観にも迫ります。

●依存症としての性犯罪

独りよがりの合理性に基づいて構築したいびつな世界観の中で生きることに、他の何物にも代えがたい快楽を見出してしまう。そして犯罪まがいの行為が「生きがい」になってしまう。

一見すると理解しがたいことかもしれませんが、男性による性犯罪やストーカーの背景には、こうした歪みが隠れています。

あなたが悩んでいる痴漢行為を例に説明しましょう。痴漢をする男性というと、「あり余る性欲を制御できずに女性に襲いかかる、野獣のような男性」あるいは「女性から全く相手にされない、モテない独身男性」といったステレオタイプのイメージが広まっています。

しかし、医療機関で性犯罪者を対象にした再犯防止プログラムに携わるソーシャルワーカーの斉藤章佳氏は、著書『男が痴漢になる理由』(2017年・イースト・プレス)の中で、そうしたイメージが全くの誤りであることを指摘しています。

同書のデータによると、痴漢を含めた再犯防止プログラムの受講者のほぼ半数は大卒の会社員で、働き盛りの30〜40代が約7割を占めています。そして全体の約4割が既婚者であり、子どもがいる人も大勢います。結婚して妻と子どもがいるのに、彼らが痴漢という社会的リスクの極めて大きい行為に手を染めてしまうのは、なぜなのでしょうか?

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孤独と性をめぐる11のレッスン

坂爪真吾

高校の三年間、友だちは一人もできなかったし、恋人も作れなかった。恋愛もセックスも何一つできなかった。一発逆転を賭けて東大を目指すも、センター試験は全教科白紙で提出。すべてから逃げ出した坂爪少年は「卒業式が終わったら、自殺しよう」と決意...もっと読む

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marekingu #スマートニュース 2年以上前 replyretweetfavorite

flh4mqW8BnBcfRG 認知の歪みか… https://t.co/O2J22VoqBT 2年以上前 replyretweetfavorite

miyu_qui 次回以降孤独の中で。『負の動機』でなく『正の動機』を錬成するための条件を考えていくとのこと。読み逃さないようにしたい。https://t.co/aMz6cV6rKn 2年以上前 replyretweetfavorite

miyu_qui https://t.co/aMz6cV6rKnを読んで、「孤独に苛まれている男子は、容易に認知の歪みに囚われ、それによって発生した奈落に転落する可能性があります。 」という一節が『息子が殺人犯になった』の内容とも重なる。自爆テロや… https://t.co/2xRgiyi0UI 2年以上前 replyretweetfavorite