イラスト:堀越ジェシーありさ
「夢工場……?」
私はその言葉を、ただ呟いた。
「おじさんは、受付か何かですか?」
言ってから、おじさんというには失礼な年齢かもしれないと思った。
「私はこの夢工場の管理人です。どうぞよろしくお願いします」
そう言って、胸に手を当ててお辞儀をした。ホテルマンのような仕草だが、少しぎこちなさも感じる。おかしな服とも相まって、どこかのテーマパークのキャラクターを連想させる。
「あの……、特に用事とかはないんですが、なんだか迷い込んじゃったみたいで」
夢の中で誰かとこんなにはっきり会話することなんて、なかなかないことだと思う。夢工場、おかしな管理人。こんなアイデアが頭の中にあったなら、私もオリジナルの漫画を描けるかもしれない。続きはどうなるんだろう。夢から覚めたらこのアイデア、すぐメモしなきゃ。
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