夢の中に現れた不思議な男

【管理人の夢⓺】
トラブルに続くトラブル、そしてその後の嫌みな上司の一言で、完全に心は折れていた。自宅に戻り、疲れ果ててベッドに入ると、そのまま深い眠りに落ちていた。気がつくと、夢の中でいつもの職場のデスクに座っていた……
<WEAVERの河邊徹がドラムスティックからペンに持ち替えて描いた作家デビュー作!>

イラスト:堀越ジェシーありさ
 まるでゴミ箱に捨てるように言葉を投げ捨て、崎田は部屋を出ていった。もう、色んなことがありすぎて、頭が追いつかない。部屋に残された私は呆然としていた。



 それからどうやって業務を済ませ、家に帰ったのかよく覚えていない。気がつけば、自宅のベッドの上で泣いていた。悔しくて涙が止まらなかった。

 全部私が悪いのか。ミスに気づけなかったからか。変な漫画を投稿するのも悪いのか。

 —もうだめだ。

 どうしていいのかわからない。あのアカウントが知られていると思うと、「ピクセル」を開く気にもなれなかった。あそこ以外に、私のことを待っていてくれる場所なんていないのに……。今や積み上げられたDVDや本棚の漫画も、何の役にも立たないガラクタのように思えてきた。

 ベッドの上で、うずくまる。もうこのまま寝て、二度と目を覚まさなきゃいいのに。

 夢の世界で生きていけたらどんなにいいか。

 まさかこの時、この願いが叶って、これから長い長い夢を見ることになるとは、私は夢にも思っていなかった。

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夢工場ラムレス

河邉徹

WEAVERのドラマー・河邊徹の作家デビュー作。バンドで作詞を担当してきた河邊の 〝言葉の世界〟をドラムスティックからペンに持ち替え、描いた「夢」をテーマにした長編作。 ...もっと読む

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