イラスト:堀越ジェシーありさ
まるでゴミ箱に捨てるように言葉を投げ捨て、崎田は部屋を出ていった。もう、色んなことがありすぎて、頭が追いつかない。部屋に残された私は呆然としていた。
それからどうやって業務を済ませ、家に帰ったのかよく覚えていない。気がつけば、自宅のベッドの上で泣いていた。悔しくて涙が止まらなかった。
全部私が悪いのか。ミスに気づけなかったからか。変な漫画を投稿するのも悪いのか。
——もうだめだ。
どうしていいのかわからない。あのアカウントが知られていると思うと、「ピクセル」を開く気にもなれなかった。あそこ以外に、私のことを待っていてくれる場所なんていないのに……。今や積み上げられたDVDや本棚の漫画も、何の役にも立たないガラクタのように思えてきた。
ベッドの上で、うずくまる。もうこのまま寝て、二度と目を覚まさなきゃいいのに。
夢の世界で生きていけたらどんなにいいか。
まさかこの時、この願いが叶って、これから長い長い夢を見ることになるとは、私は夢にも思っていなかった。