大学1年生の歩き方

友だち作りにも役立つ! 弱音を吐くためのレッスン

「私が20歳を迎えた記念すべき日(5月20日!)に“他に好きな人ができたから誕生日は祝えない。私と別れてください。本当にごめんなさい(原文ママ)”というメールをもらって2年間の恋が終わりました。」
危機に陥って身にしみた弱音の効用について。清田隆之さんによる、つらい時こそ効く自己開示のススメです。
(書籍『大学1年生の歩き方』より。よろしければ著者二人の対談「失敗したって、どっこい生きてる」もどうぞ。)

学費と青春をドブに捨てる日々

5月といえば、天気はいいし、日照時間は長いし、暑くも寒くもないし、花粉や蚊にも悩まされないという、すべてが奇跡的に丁度いい季節です。ましてや大学1年の5月なんて、希望と可能性に満ちあふれた、まさに青春の絶頂と呼べる時期……のはずですが、私は当時、大失恋の真っ只中にいました。高校時代から付き合った恋人がイケメン美容師に心変わりをしてしまい、私が20歳を迎えた記念すべき日(5月20日!)に「他に好きな人ができたから誕生日は祝えない。私と別れてください。本当にごめんなさい(原文ママ)」というメールをもらって2年間の恋が終わりました。

学校生活も早速つまずきまくりで、この頃にはすでに半分以上の授業で怠け癖が始まっていました。4月に欲張って授業を取りまくったせいで毎日慌ただしく、準備も復習もできず「ただ出ているだけ」という状態になり、習ったことがまったく身につかない。そして段々と授業がおっくうになり、ひとつ、またひとつとサボるようになっていく……。こうして、小さなつまずきが連鎖していつの間にか取り戻せないくらいのビハインドになってしまうのが怠け癖の恐ろしいところですが、そこに失恋のショックが加わった私は、実家でふて寝ばかりして学費と青春をドブに捨てる日々を送っていました。

大学生活を救った偶然の「自己開示」

しかし意外なことに、この一件が私の大学生活を救うことになります。それまでイマイチ距離を詰められなかった語学のクラスメイトたちが、親身になって失恋話に耳を傾けてくれたのです。

私は男子校生活が長かったため、女子に対する免疫がマジでゼロでした。それなのに、こともあろうか女子が8割を占める文学部のフランス語クラスに入ってしまい、緊張と混乱の連続。何を話せばいいかわからないし、自分から変なニオイがしてるんじゃないかという妄想に取り憑かれ、女子の隣では授業にまったく集中できない。同じ班のよしみでお昼ご飯に混ぜてもらうものの、会話の糸口すらつかめない日々が続きました。

そんな中、思わずこぼしてしまった失恋の愚痴。すると……女子たちはキャッキャと盛り上がり始め、「私もこないだ彼氏と別れたの」と痛みを共有してくれたり、「それは清田くんにも非があったかもね〜」と冷静に経緯を分析してくれたり。しまいには「元カノの写真見たい〜♡」なんて展開にもなり……これを機に、みんなとの距離がグッと縮まっていったのです。

トミヤマさんの言う「閉じるなキケン!」とは、居場所だけでなく心の問題にも通じる話です。当時、私の中には「どうせ俺の失恋になんか誰も興味ないだろう」という気持ちがありました。また、「元カノに未練タラタラの男なんて気持ち悪がられるのではないか」という恐怖もありました。しかし、失恋のつらさに耐えかね、つい弱音を吐いてしまった。それによって意図せず「自己開示」をすることができたのです。

弱音を吐けない男の「ジェンダー規範」

私は人々から恋バナを聞き集める仕事をしていますが、恋愛の問題を考えるとどうしてもぶち当たるのが「ジェンダー」の問題です。これは「社会的・文化的性差」と訳される言葉で、いわゆる先天的・身体的に決定される「生物学的性差(=セックス)」とは別の、社会的・文化的に形成された男女差を意味します。そう聞いてピンと来た人には当たり前すぎる話でしょう。しかし、ジェンダーは「知らない人はまったく知らない」という類の問題でもあります(特に男子!)。

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大学1年生の歩き方

清田隆之(桃山商事) /トミヤマユキコ

「失敗しても大丈夫!」な人生の歩き方とは? 早大助教のトミヤマユキコと、恋バナ収集ユニット桃山商事の清田隆之が、仕事や恋愛、お金やコンプレックスの話まで、自身の黒歴史をさらしつつ語ります。「キラキラしたいわけじゃないけど退屈な学生生活...もっと読む

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sayusha ひきつづき大学1年生の歩き方、本編公開しています。今週は、弱音を吐くといいことあるかも、というお話。清田隆之さん回です。(も) https://t.co/G8opaJ0aGN 2年以上前 replyretweetfavorite

mikakofuse 弱音吐くの大推奨!!! 2年以上前 replyretweetfavorite