中二」な自分を信じよう

はみ出す自分を肯定しよう—マンガ家・山田玲司インタビュー後編

『ハミ出す自分を信じよう』(星海社文庫)を生み出した山田さんの「中二」ぶりは、スピリッツで連載中の美大受験マンガ『アリエネ』でも発揮されています。山田さんのほぼ自伝だという『アリエネ』(小学館)は、悩めるはみ出し者たちへのメッセージが込められた、もうひとつの「ハミジブ」でした。

手塚治虫の生原稿に衝撃を受ける

加藤貞顕(以下、加藤) ここまで、山田さんがどういう思いで『ハミ出す自分を信じよう』(星海社文庫)を書かれたのか聞いてきましたが、多くの若者が悩んでいることに応えてくださった感じがしますね。

山田玲司(以下、山田) 僕が一番言いたいのは、自分の才能を伸ばしていきたいなら、人の意見を聞かないで自分を信じてほしいということですね。

加藤 「ハミジブ」のメッセ―ジがまさにそれですね。あえて「中二」になる。ただ、人の意見を聞かないでいると、独善的になって、自分ひとりの世界で小さくまとまってしまう危険性あるようにも思います。それを避けるためにはどうしたらいいんでしょうか?

山田 というよりも、そもそも人の意見なんて聞かないでいることが無理なんですよ。

加藤 えっ!(笑)

山田 耳は閉じられないからね。どうしても聞いてしまうものだからこそ、「人の意見は聞くな」ぐらい言っておかないと。

加藤 なるほど、強く言うぐらいがちょうどいいということか。

山田 それに、人の言うことはすべて聞いちゃダメというわけじゃなくて、周囲への同調圧力や、空気を読むことを強要するような社会を警戒してもらいたいんです。親の意見にも気をつけてほしい。

加藤 親もダメですか。

山田 前の時代の洗脳が解けていない人ばかりでしょ。大切な肉親には違いありませんが、意見をうのみにしない方がいい。

加藤 その点、山田さんのご両親は、山田さんの才能を信じてマンガ家を目指すことを許してくれたわけですよね。これ、実はすごいことですよね。

山田 いやー、そのおかげで、社会に出てからこてんぱんにのされましたけど。最初に持ち込みしたときは本当に辛かった。相手はすごく優しく対応してくれたんけど、優しくされるのって実力を認めてもらえていないってことですから。

加藤 ああ、『アリエネ』でも、有が予備校の先生に優しくされて喜んでいたら、同級生に忠告される場面がありましたね。山田さんの実体験に基づいていたんですか。

山田 はい。手塚治虫先生の生原稿まで見せてもらっちゃって。

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中二」な自分を信じよう

山田玲司 /cakes編集部

2013年春、星海社文庫から刊行された『ハミ出す自分を信じよう』。作者は、美大出身のマンガ家であり、インタビューマンガ『絶望に効くクスリ』(小学館)で有名な山田玲司さん。多くの「才能」に出会ってきた山田さんが、自身の経験を振り返りなが...もっと読む

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コメント

nekosachi おもろそう!「アリエネ」読みたい > 5年弱前 replyretweetfavorite

hirarisa_LV0 構成担当しました。アリエネ、6巻の帯に歌広場淳様が登場していてびっくりした! https://t.co/qW9rDmXVbh 5年弱前 replyretweetfavorite