今日も丸山桂里奈がテレビに出てる

今回取り上げるのは元日本女子サッカー代表の丸山桂里奈。2011年のFIFA女子サッカーワールドカップでは、準決勝で決勝点を挙げるなどして活躍し日本代表の初優勝に貢献、さらにはチームとして国民栄誉賞まで受賞しました。2016年に引退しタレントに転身したのですが、「ぶっちゃけキャラ」としてテレビにひっぱりだこ。今回はその「ぶっちゃけ」について、武田砂鉄さんが考察します。

やっぱりこういう人が重宝される

このところ、テレビを適当に眺めていると、とにかく頻繁に元サッカー女子日本代表の丸山桂里奈が出てくる。本人から遮二無二ぶっちゃけてくるというよりも、周囲が、どこまでぶっちゃけられるのかと興味津々に近づいていき、それならば、と踏み越えてくるやり取りを繰り返し見させられる。「あのなでしこの……」という枕詞が何度でも使い回せる制約となっており、その制約を取っ払ってしまえる私、という意外性を起点に動く。その起点を繰り返し使う。なでしこという前提から始めることによって、赤裸々の度合を強めていく。かつて交際していた男性は、性行為の時間がやたらと長く、途中で一休みをしたのだという。それを丸山は「もぐもぐタイム」と称して、笑いをとる。やっぱりこういう人が芸能界では重宝される。丸山個人がどうのこうの、というより、「やっぱりこういう人が」という状態にぐったりする。

「きっと私のことを気にして見てくれているんだな」

キャラクターを粗造して一気に消費するテレビの世界は、粗造されることへのガードの緩い人がひとまず歓迎される。「私、言うべきことを言わせてもらいます」という誠実さよりも、「あ、私、何でも言います」という勢いに対して、招待状が撒かれる。ですよね、で、その何でも言っちゃう姿勢で、時折炎上しちゃってますもんね、と投げれば、「一般の人は、10人中10人が私のことをいい人って思うわけではないし、『批判する人も、きっと私のことを気にして見てくれているんだな』と思うので、あまり気にはしていないです」(丸山桂里奈インタビュー・『大手小町』)という答えが返ってくる。

この続きは有料会員登録をすると
読むことができます。
cakes・note会員の方はここからログイン

1週間無料のお試し購読する

cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。

人気の連載

おすすめ記事

発売即重版! 武田砂鉄さんの新刊です。

日本の気配

武田砂鉄
晶文社
2018-04-24

この連載について

初回を読む
ワダアキ考 〜テレビの中のわだかまり〜

武田砂鉄

365日四六時中休むことなく流れ続けているテレビ。あまりにも日常に入り込みすぎて、さも当たり前のようになってしったテレビの世界。でも、ふとした瞬間に感じる違和感、「これって本当に当たり前なんだっけ?」。その違和感を問いただすのが今回ス...もっと読む

この連載の人気記事

関連記事

関連キーワード

コメント

megamurara 「重宝される」という言葉にいまだにおののく。自分は必要なのかと。落ち着け自分。 7日前 replyretweetfavorite