会話のきっかけの掴み方
いらっしゃいませ。
bar bossaへようこそ。
あなたはいつも乗っている電車で、あるいは同じビルで、あるいはカフェで、毎回見かける人に恋心を抱いたことはありますか? そんなとき、イタリア人やブラジル人なら「こんにちは、綺麗ですね」って声をかけます。アメリカ人だと、そういう時に声をかける有名な言葉があります。
「ねえ、小銭を貸してくれない?」
「どうして?」
「ママに電話するんだ。今、天使に出会ったんだ、って」
こういうのでアメリカ人女性は「クスッ」とか笑うのでしょうか。でも、ママとか天使とか、いかにもアメリカ人ですよね。日本人男性がこんなことを言うとちょっと怖いです。大体今は電話ボックスないですし、もうアメリカ人も言わないでしょうね。
20歳の頃、ロンドンの街中を歩いていたら、前から歩いてきたお洒落な若者に、「その靴、カッコいいね。どこで買ったの?」って声をかけられたことがあります。僕はそのまま正直に、「東京の下北沢という街で、こういうお店があって……」って説明してしまいました。でも後で気づいたんですが、これって「ちょっとした会話のきっかけ」なんですよね。
だから正しい返事は「ありがとう、東京で買ったんだ。ロンドンではこういうの珍しい?」だったんです。そういう「持っているもの、身につけているものを誉める」っていうの、会話の入り口として、ベタだけど、アリですよね。誉められると嬉しいし、自然に会話が進んでしまいます。
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