Are we alone?

「私」はどこからきたのか?1969年7月20日。人類がはじめて月面を歩いてから50年。宇宙の謎はどこまで解き明かされたのでしょうか。本書は、NASAの中核研究機関・JPLジェット推進研究所で火星探査ロボット開発をリードしている著者による、宇宙探査の最前線。「悪魔」に魂を売った天才技術者。アポロ計画を陰から支えた無名の女性プログラマー。太陽系探査の驚くべき発見。そして、永遠の問い「我々はどこからきたのか」への答え──。宇宙開発最前線で活躍する著者だからこそ書けたイメジネーションあふれる渾身の書き下ろし!人気コミック『宇宙兄弟』の公式HPで連載をもち、監修協力を務め、NASAジェット推進研究所で技術開発に従事する研究者 小野雅裕がひも解く、宇宙への旅。 小野雅裕の書籍『宇宙に命はあるのか ─ 人類が旅した一千億分の八 ─』を特別公開します。


Les étoiles sont belles, à cause d’une fleur que l’on ne voit pas...
(星々が美しいのは、ここからは見えない花が、どこかで一輪咲いているからだね………)

サン=テグジュペリ『星の王子さま』

想像してほしい。あなたの大切な記憶のことを。 母と手を繋ぎ歩いた幼年期。父に肩車されて見たパレード。優しい祖父母。家族旅行。親があなたに語ってくれた誕生の記憶。もしあなたが親を知らなければ、大切な誰かを想像してほしい。友人と鬼ごっこやゲームをして遊んだ日々。思春期の葛藤。初恋。気のおけない友と飲み明かし羽目を外した夜。出会い。旅立ち。結婚。そして愛おしい小さな命を授かった日。

そして想像してほしい。もし、その記憶がすべてなくなってしまったら? 誰もいなくなってしまったら? あなたは親を知らない。家族も親戚も知らない。自分がどこで生まれたか、どう育ったかも知らない。周りに友人の誰ひとりいない。地平線の果てまで見渡しても、どこにも誰の影形も見えない。

私は誰?

私はどこから来たの?

私はひとりぼっちなの?

そう、あなたは問うだろう。そして探すだろう。その答えを教えてくれる誰かを。あなたのアルバムを大事に保管している誰かを。

地球の生命も似たような状況にある。地球に生命が誕生したのはおよそ四十億年前ということはわかっている。だが、どうやって生まれたのかはわからない。そして我々は地球以外の生命をまだ一つも知らない。我々は四十億年の孤独の中にある。

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宇宙に命はあるのか ─ 人類が旅した一千億分の八 ─

小野雅裕

銀河系には約1000億個もの惑星が存在すると言われています。そのうち人類が歩いた惑星は地球のただひとつ。無人探査機が近くを通り過ぎただけのものを含めても、8個しかありません。人類の宇宙への旅は、まだ始まったばかりなのです…。 NASA...もっと読む

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marekingu #スマートニュース 2年以上前 replyretweetfavorite

uchu_kyodai NASAの研究者 小野雅裕がひも解く、宇宙への旅。 2年以上前 replyretweetfavorite