気遣いとは相手目線で考えること

「伝えたいことがうまくまとまらない」「ついつい長話をしてしまう」「自分の印象をよく見せたい」その悩み、すべて「20秒」で話せば解決します! 誰でもできる気遣い、語彙力を高める方法を、書籍『20秒で自分の魅力を伝える方法』より、ミス・ユニバース・ジャパンビューティーキャンプ講師の佐藤まみさんが解説します。

気遣いの基本は「相手目線」

あなたの周りにも気遣いが行き届いた人がいるのではないでしょうか。周囲の人に自然と気遣いができる人って素敵ですよね。そうした人たちに共通していることがあります。それは「自分から話しかけている」ということ。自分自身が話し下手と思っている人たちは、

●「今、話しかけたら迷惑じゃないかな」

●「自分から声をかけるのは恥ずかしいな」

●「断られたらイヤだな」

なんて思ってしまいがちです。つまり、話しかける相手に対して必要以上に気遣いをしてしまっているのです。これではストレスがたまる一方でしょう。一方で気遣いができる人は次のように考えています。

●「楽しい時間をすごしてほしい!」

●「何か一緒にお話ししませんか?」

●「どんなお仕事している方なのかな?」

話し下手な人と、気遣いができる人、この違いがわかりますか? 気遣いができる人は、相手目線で考えているのです。一対一で話すにしても、スピーチやプレゼンのように一対多で話すにしても、言葉を相手に投げかける以上、言葉は思いやりのかたまりであるべきです。これは気遣いでも同じこと。

「今相手が求めていることは何かな」

「どんな言葉をかけたら喜んでくれるかな」

「今、相手が興味を持っていることはどんなことかな」

物事を消極的にとらえるのではなく、プラスの考えで相手に言葉を投げかけると、自分の印象もよくなります。必要以上の気遣いをしてしまう人は、「相手目線」での考え方に変えてみましょう。大切なのは、自己中心的に考えるのではなく、相手の目線で考えることなのです。

2017年にアメリカ合衆国大統領に就任したトランプ大統領の就任演説も、相手目線という視点から見ると、とても興味深い内容でした。日本時間では深夜に行われたこともあり、眠気を堪えながら演説を聞いていた私は、あることに気が付きました。

「あれ? なんて言っているかよくわかる!」

そう、彼はとても簡単な英語で話していたのです。カーネギー・メロン大学の言語科学研究所の調査によれば、トランプ氏の英文法は小学6年生レベルというのです。

ここから、多くの人の心に残るように話す極意がわかります。それは、相手から好かれる言葉は必ず相手目線に立った「シンプル」な言葉であるということ。以前、小学生でもわかる言葉を選ぶことについてお話ししましたが、そのためには、「相手目線」が欠かせないのです。

語彙力は「五感」を駆使することで高まる

短い時間で記憶に残る話をするには、語彙力も必要です。ありきたりな言葉や決まりきった慣用句ばかり使っていたら、伝え方に個性が生まれません。個性がないということは、相手の記憶にも残りにくいことを意味します。難しい言葉を使う必要はありませんが、さまざまな表現をストックしておくことで、TPOにふさわしい言葉で、なおかつ自分らしいイキイキとした表現を選択することができます

語彙力を増やすための王道は、本を読み、文章を書くことです。気に入った言葉や表現をメモし、実際に使ってみる。活字に触れることで、「使える語彙」は増えていきます。ですから、回り道に感じるかもしれませんが、ぜひ本をたくさん読んでください。

しかし、「本を読んでください」と言うと、「もっと簡単な方法はないですか?」という顔をされるのも事実です。

即効性という意味では、「知っている言葉をフル活用する」ことも語彙力を高める方法のひとつです。頭の中に言葉のストックはたくさんあっても、日常的に使っている言葉はいつも同じではないでしょうか。

たとえば、感動する映画を見たとき、「すごかったね!」というひと言で済ませていないでしょうか。「胸が熱くなった」「心を打たれた」「胸にしみた」「心にジーンときた」「胸がいっぱいになった」「涙が止まらなかった」など、感動にもいろいろな表現があります。どれも知らない言葉ではないですよね? ふだんから使っていないから、いざというときに出てこないのです。

ですから、ふだんから「すごい」「かわいい」「すてき」という言葉だけですまさずに、さまざまな表現で言い換えることを意識してみてください。これを続けていると、使える語彙が増えて、表現力も豊かになっていきます。表現が豊かになれば、自分が言いたいことを伝えやすくなるはずです。最近はスマホの普及で頻繁にメール送信のやりとりが行われています。メールを送るときにも、気をつけたいことがあります。

絵文字に頼りすぎていませんか? 絵文字やスタンプはそれだけで喜怒哀楽を表現でき、また送られたほうもわかりやすくてとても便利ですが、あまり頼りすぎると語彙力の低下に結び付くような気がしてなりません。ぜひ自分自身の心と向き合い、頭で考えながら、相手に向けて絵文字ではなく文字で気持ちを届けることを習慣にしてみてください。頭の中にある語彙をフル活用する方法をもうひとつ紹介しましょう。

それは、五感を駆使して表現することです。たとえば、アナウンサーが食べ物のレポートをするとき、「おいしい!」だけでは、その味は伝わりませんよね。しかし、五感(視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚)で感じたことを言葉にすれば、さまざまな角度からおいしさを表現することができます。

たとえば、ステーキ店で肉を食べるとき、五感で表現するといろいろな言葉が出てきます。

●視覚:「サシがまんべんなく入っている」「私の顔よりも大きい」など

●聴覚:「じゅうじゅう焼ける音に食欲を誘われる」など

●嗅覚:「焼くと香ばしい」「甘いソースの香りがいい」など

●味覚:「肉汁の味に深みがある」「脂の甘さが最高」など

●触覚:「口の中で溶けてなくなった」「歯ぐきで噛めるくらいやわらかい」など

このようにステーキのおいしさを表現する言葉はたくさんあるはずです。「いつもおいしいを連呼してしまう」という人は、五感がどう感じているか、細分化してみると、次々と言葉が出てくるはずです。

話の瞬発力が高まる「……といえば」連想法

ボキャブラリーを増やす方法として、私が講義やセミナーの受講生におすすめしているのが「……といえば」連想法です。やり方はカンタン。一種の連想ゲームです。「夏といえば花火、花火といえば浴衣、浴衣といえば祭り、祭りといえば屋台、屋台といえばお好み焼き……」というように関連する言葉をリズムよくつないでいくのです。

実際にセミナーや研修で実践してもらうと、語彙が少ない人は3つくらいで言葉が出てこなくなってしまいます。しかし、アナウンサーなど話し方のプロが連想ゲームをすると、いつまでも続けることができます。

ふさわしい言葉をすぐに思いつくかどうかは、ふだんのコミュニケーションにも大きく影響します。連想が得意な人は、表現が豊かなので聞いている人も飽きませんし、会話も弾みます。

また、とっさの場面でもすぐに適切な言葉が出てきます。ブライダル司会でも予定外のトラブルに見舞われたときが腕の見せどころです。たとえば、機械の不具合で会場に流していた映像や音声が途切れてしまった場合、司会者は黙ることは許されません。スタッフが機械を直してくれるまで、会場のみなさんを不安にさせないよう、言葉をつなぐ必要があります。このときもとっさにどれだけ言葉が出てくるかが問われます。

まずは、ゲーム感覚で「……といえば」連想法を試してみてください。長く続くようになると、ふだんのコミュニケーションでもプラスの効果を実感できるはずです。

この連載について

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20秒で自分の魅力を伝える方法

佐藤まみ

「伝えたいことがうまくまとまらない」「ついつい長話をしてしまう」「自分の印象をよく見せたい」その悩み、すべて「20秒」で話せば解決します! 世界を代表するミスコンテスト・ミス・ユニバースの出場者の話し方を劇的に変えてきた話...もっと読む

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