話し上手は「オノマトペ」を駆使している
話が上手な人は「オノマトペ」を駆使しています。オノマトペとは、「擬声語」を意味するフランス語で、擬音語と擬態語の総称です。擬音語は、モノが発する音や声を真似た描写したもので、「ドカーン」「パリーン」「ニャー」などが該当します。
擬態語は、状態や心情など音のしないものを表す言葉で、「デレデレ」「ドキドキ」「ニヤニヤ」「ホッカホカ」などがそうです。
オノマトペは五感に訴える言葉なので、伝える内容に臨場感をプラスすることができます。その証拠に、子ども向けの昔話や絵本には、オノマトペが多用されています。たとえば、桃太郎の昔話にはこんな文章があります。「おばあさんが川で洗濯をしていると、『ドンブラコ、ドンブラコ』と、大きな桃が流れてきました」「おじいさんとおばあさんが桃を食べようと『パカーン』と桃を切ってみると、元気の良い男の赤ちゃんが飛び出してきました」。このようにオノマトペの入った文章は、イキイキと臨場感のある表現になります。仮に「ドンブラコ、ドンブラコ」「パカーン」といった表現を抜いてしまうと、一気に味気のない文章になってしまいますよね。
自分が話すときにも、オノマトペを積極的に活用することをおすすめします。たとえば、プレゼンで「売上がグングンと上がります」「社員の表情がキラキラとし始めます」とオノマトペを取り入れると、聞き手の五感に訴えることができます。
状況にふさわしい言葉を選ぶ
人前で話すとき、用意した原稿やメモを見ながら話すことがあります。そのときよくある失敗が、原稿通りに話して、状況にふさわしい言葉を選べないことです。新人さんがブライダル司会をすると、練習通りに進行することに夢中で、フレキシブルな対応ができないことがあります。たとえば、ケーキカットのあとで、新郎新婦が切り分けたケーキを互いに食べさせあう「ファーストバイト」という演出があります。セオリー通りだと、ファーストバイトのあとに司会者は「すてきな2人をカメラに収めてください」とコメントします。
このとき、新郎がわざとケーキに顔を突っ込んで、顔面が生クリームだらけになったとしたら、どうでしょう?