結論は冒頭にもってくる
「20秒で伝えることが大事」と言ってきましたが、当然ながら世の中には20秒だけで伝えられることばかりではありません。結婚式のスピーチは約3分話しますし、会合でのあいさつやスピーチ、会議での発言、プレゼン、商談などはもっと長い時間、話さなければなりません。
しかし、人に何かを伝えたいのであれば、時間の長短に関係なく20秒を意識すべきです。なぜなら、人は最初から最後まで同じ集中力で話を聞いてくれるとはかぎらないからです。たいていは、話が長くなればなるほど集中力を欠いていくものです。
ですから、3分のスピーチでも、5分のプレゼンでも、最初の20秒が勝負。冒頭の最も聞き手の集中力が高いときに、いちばん言いたいことを伝える必要があります。
たとえば、商品のプレゼンの持ち時間が5分だとします。このときも、最初の20秒に商品のいちばんの魅力となるポイントを示します。
「本日は、新商品の缶コーヒー『〇〇〇』を紹介いたします。この缶コーヒーの最大のセールスポイントは、『ランチ専用』であることです。私たちが実施したアンケート調査によると、オフィスでコーヒーが最も飲まれているのは、ランチタイムの直後、13~14時であることがわかりました。食後でも胃に負担をかけずに飲めるライト感を実現すると同時に、コーヒーそのものの風味も最大限に引き出したのが特徴です。この新商品は第3四半期で〇億円の売上が期待できる重点商品になりますので、ぜひみなさんのご支援をお願いいたします」
このように新商品のいちばんの魅力を先に伝えたうえで、詳細について説明していくのです。こうすることで、最も伝えたいことが明確になりますし、聞いているほうも「結論はまだか」とやきもきすることもなくなります。
話す時間が長くなればなるほど、最初に最も伝えたい結論を述べることが大切です。聞き手の集中力は持続しないからです。「結論は冒頭で、詳細はあとで話す」をベースにすると、あの人は伝えるのがうまいという評価につながります。
20秒トークのフォーマットを活用する①——PRP法
20秒トークには、フォーマットとなる基本形が2つあります。PRP法とSDS法です。
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