美をさがし求めるのが生業である。
こんな美しいものを見つけた。
創作あーちすと“のん”の、「やりたいことは誰に気兼ねすることなくやる」という、強い強い意思。
やりたいこと、やりたいだけ、やる!
「幼稚園のとき、みんなで節分の鬼の絵を描こうってなって。うまく描けて、子どもの絵の展覧会みたいなところに飾ってもらえたことがあって、うれしかった。それを心の支えにして、いまも描いたりしてます」
そう話してくれたのは女優として、また「創作あーちすと」と名乗り活動する“のん”さん。
渋谷GALLERY X BY PARCOで「‘のん’ひとり展 女の子は牙をむく」を開催しているのだ(4月19日〜5月8日)。
壁面には大小さまざまな絵画作品がところ狭しと掛かっている。抽象的な図柄のもの、荒々しく感情をぶつけるような激しい絵、少女漫画風とさまざまなタッチが使い分けられていて、ひとりが手がけたものとは思えないほど。
床にはドレスを着たままひっくり返っている人体のオブジェや、巨大化したハムスター。これらも彼女の作品だ。天井からは本人デザインの衣装が吊り下がる。頭に浮かんだものすべてに、片っ端からかたちを与えていったら、いつしかこんなことになっていた……。そう言わんばかりの多彩さと、にぎやかさ。
「やりたいこと、やりたいだけ、やる!
わたしは、そう決めているので。自由にやっているところを、みなさんに見てもらいたい。わたしが好きなことに好きなだけ挑戦している姿を見た人が、
わたしも!
と思って、何かを始めてくれたりしたらいい。そうすると、
何か伝わった!
という気がしてうれしいです」
と、のんさんは言う。これだけ弾け切ることって、できそうでできない。
アートの定義というのはいろいろ考えられるけれど、ひとつには、
「だれかの強い意思のもとでつくられたなにものか」と言っていいと思う。
その定義に沿って考えてみれば、のんさんの創作は、最上質のアートワークだ。
遠近法なんて、関係ない
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