Omiaiで自称詩人とマッチしたら、毎晩ポエムを送られてハマってしまった

3年付き合った彼と別れた営業職のミナコ(30)。自称詩人として詩作にはげむ女性経験の乏しいフリーター横山祐太(25)。 婚活をする現実的な女性とロマンチストな青年の心は通い合うのでしょうか。
LINEで、SNSで、出会い系アプリで。いま恋のリアルは、スマホの向こう側に広がっています。かつてなく加速してからまりつづける男女の運命は、どこに向かうのでしょうか。

#ミナコ #30歳 #営業 #私だけが選ばれない理由

 ベッドに寝転んで、婚活アプリOmiaiの検索画面をスクロールする。
 年齢も性格も顔も違うはずなのに、こうして丸型のアイコンに切り取られると、なぜか全員同じに見えてくる。

 去年の暮れに、3年間付き合った彼氏と別れた。
 原因は、向こうの浮気だった。
 それまでは失恋してもすぐ新しい恋人ができたのに、この歳になるとそうもいかない。真面目ないい男は大抵別の女に押さえられていたし、20代で登録したときは通知が鳴りっぱなしだったアプリも、今はほとんどこなくなった。

 もうだれでもいいから、早く結婚してしまいたい。
 退屈しのぎにアプリを眺めていると、ひさしぶりにメッセージ付きのいいね!が届いた。

「はじめまして。誠の恋をする者はみな一目で恋をする、というシェイクスピアの有名な言葉をご存じですか。僕は言葉通り、あなたに恋をしました」

横山祐太 神奈川県在住 25歳 自由業 年収300万〜500万

 え、シェイクスピア? 何の話?
 意味がわからなくてプロフィールを見ると「職業:詩人」と書かれている。
 おまけに名前もフルネームで登録していて、なんだか変わった人だった。

 思わずスキップしかけたけど、写真は意外に好みのタイプだった。
 前髪で隠してるけど、睫毛は長くて目力がある。肌は女の子並みにキレイで、年齢より幼く見える顔立ちを無精髭でごまかしているみたいだった。
 プロフィールに貼られたリンクを押すと、だれでも作品を公開できるnoteというサイトにつながった。

 最新作は「孤独の惑星」という題名だった。
 15行程度の短い詩は全然頭に入ってこないけど、どうやら恋愛モノらしい。「きみ」への呼びかけが頻発するし、普段の会話で使わない謎の当て字が混ぜられるしで、どの作品もコメントやスキさえついてない。

 結婚とはほど遠いけど、からかって遊ぶのもおもしろいかもしれない。
 しばらく悩んだ末、とりあえずいいね!を押し返してみた。

#横山裕太 #25歳 #詩人 #ようやく見つけた理想の女性

ミナコ 東京都在住 30歳 営業 年収500万〜800万

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#ワン・モア・ライク! #ワン・モア・チャンス? #マッチングアプリで恋をして

大塚美和

LINEで、SNSで、出会い系アプリで。いま恋のリアルは、スマホの向こう側に広がっています。かつてなく加速してからまりつづける男女の運命は、どこに向かうのでしょうか。

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コメント

kkr_s2_ 思ったよりいい話だった← 約1年前 replyretweetfavorite

namimori0801 読み続けてたらうっかりハマった連載 約1年前 replyretweetfavorite