グラビアアイドル鎮魂歌 〜吉木りさという光、壇蜜という影〜

リア・ディゾンに「グラビア界の黒船」というキャッチコピーを付けたことでも知られるブロガーの真実一郎さんに、2012年のグラビアアイドルの現状を論じていただきました。AKB48やももクロなどの、歌って踊れるグループアイドル全盛の今、グラビアアイドルはどうなっているのか。そして2012年、グラビア界にくっきりと浮かび上がった光と影。ぜひご一読ください!

 地球上から全ての人類と生命が絶滅した後、新たな原始生命体が生まれ、再び動植物の進化が始まる。しかし何の間違いか、恐竜の後にほ乳類ではなくナメクジが進化してしまい、科学文明を構築して地上を支配するようになる。やがてナメクジは縄張り争いが原因で滅亡し、ようやく人類の祖先が現れる……。

 これは手塚治虫が描いた『火の鳥』(角川書店)未来篇の一幕だ。ふと思う。グラビアアイドルとは『火の鳥』におけるナメクジだったのではないだろうか、と。

 歌を重視せず、雑誌のグラビアをビキニで飾り、知名度を高めてテレビの仕事を獲得する。グラビアアイドルと呼ばれるこうした存在は1990年代半ばに誕生し、一気にアイドルの中心的勢力になった。左右の乳がエゴとエゴのシーソーゲームを繰り広げんばかりの巨乳たちが、コンビニで売られる雑誌の誌面に氾濫したのだった。

 しかし、そんな時代もいよいよ終わろうとしている。毒舌合戦や内幕暴露を繰り返した挙げ句、グラビアアイドルのイメージは地に堕ちた。ほしのあき、熊田曜子、小倉優子といった、ゼロ年代のグラビアを長く占拠していたビッグネームたちも、結婚や出産で一気に退陣。グラビアアイドルを輩出し続けてきた伝統の「ミスマガジン」は形骸化が進み、今年はとうとう廃止されてしまった。そして歌うアイドルの時代が再び訪れている。

 小嶋陽菜や篠田麻理子を擁するAKB48や、山本彩や渡辺美優紀といった巨乳が多いNMB48など、最近のグループアイドルにはグラビア向きの肉体の持ち主が数多く在籍しているため、グラビアに特化したアイドルに対するニーズは確実に少なくなった。そもそも、AV女優の美人化/アイドル化が進行した事で、グラビアアイドルの存在理由自体が希薄になっている。AV女優とグラビアアイドルの混成で人気を博した恵比寿マスカッツでは、グラビア勢は全く光を放つ事が出来なかったことが象徴的だ。

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 吉木りさの台頭は、そうした意味では奇蹟だと言える。

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