家電の本当の「価格」は、本体×消費電力+処分費用
家電を安く買うための、さまざまな裏ワザ、お得情報が飛び交っています。
「日曜日の夕方の量販店が得」「セット購入を持ちかけてマネジャーと交渉すると得」「決算期が得」「平日昼間は価格交渉しやすく得」「冷夏の夏の冷蔵庫、エアコン買いは得」
おそらくこれらのお得情報は、実際にあった本当のことなのでしょう。
しかし、そこには共通の言葉が、頭につくと思うのです。
それは、この人の場合は「たまたま」それで安く買えたということです。
新型がまもなく出る時期に「たまたま」在庫が山ほどあり、売り切ってしまいたいとなれば、価格は下がるでしょうし、もしも、その年度は商品がよく売れて在庫が少なければ安くはなりません。
在庫があり、安くしても売り切れなかった商品が型落ち品としてさらに安くなるだけです。
家電は、今や食品と同じように価格が変動する時代です。
量販店が通勤途中にあれば、何回も足しげく通って、少しでも安い価格に出合う「たまたま」を待つのもいいでしょう。
でも、私はゴメンです。
2000〜3000円の価格差を求めて何十回も足を運ぶことはできません。
交通費がかかるのならそれこそ本末転倒になります。
それに家電製品の価格は、お店で買う商品価格だけでは決まりません。
家電は買ったあとに電気代が必要です。
電気代の目安で年4000円の差があるとしたら、それは7年使うとなれば2万8000円の差になるからです。
もうひとつ重要なことがあります。
それは古い家電製品の処分価格です。
私たち消費者には、家電を処分するときに、家電リサイクル法によって運搬費用と処分費用の両方を負担することが義務づけられています。
たとえば、東京都の場合、大型の冷蔵庫を役所に引き取りを頼むと、8000円くらいの費用がかかってしまうのです。
使えるうちに人にあげるのも一案です
中古家電を扱うリサイクル業者に引き取ってもらうなり、人に譲るというオプションがあることも考えたいポイントです。
学生や新社会人など、一度に多くのものを揃えなくてはならないときに、全部新品で購入していると大変です。
ですから、前述の中古家電を扱う業者もあるわけです。
それなら、そういう若い人たちに引き取ってもらうこともひとつのオプションだと思うのです。
私は、液晶テレビや洗濯機、炊飯器、ワインセラーなどいろんな電気製品をもらってもらいました。「大変だろ、俺んちのものやるよ」。
そんな態度ではダメです。
「もう何年か使った古いものだけれど、よかったらもらってくれないか?」
そういう言い方をすれば、多くの若い人たちは喜んでもらってくれます。
もらう側が嬉しい商品は、まだまだ十分使える商品です。
つまり、買い替えはまだ2〜3年くらい先でもいいかな、と思うような商品が理想です。
差し上げて、すぐに壊れてし まったら、すぐに買い替えなくてはならず、そのときの処分代負担は本人たちだからです。
数千円のことで恨まれるのはゴメンです。
今や私にとっての買い替えのタイミングは、冷蔵庫や洗濯機、テレビなど生活に必要な商品を購入してから5年ほどたったあとで引き取ってくれる若い人が出てきたときです。
相手はまだ十分使える家電品が無料で手に入る、私はリサイクル料金がかからない。 お互いに利益があります。Win-Winの関係ってやつですね。
譲ることを決めたら、すぐに新しい商品を探しにいくのです。
それが買い換えのタイミング。
家電量販店は山ほど商品を置いているものですが、多くの消費者がチョイスする売れ筋商品はそれほど多くありません。
価格、電気代、処分価格で絞り込んでいくと、選択の範囲は限られているものです。
ネットや通販で買うこともありますが、部屋に置く大型家電はやはり実物を見てから決めたいので、家電量販店に行きます。
値段を見て、ひと晩だけ取り置きしてもらうことが多いです。
そして、自宅に帰ってネットなどで値段の妥当性を検証します。
もちろん、送料やポイントサービスなども加味して判断します。
そして、店で10万円のものが、ネットで9万7000円。
このくらいの差であれば、説明してくれた店舗で買います。
ネットで8万5000円だったら、申し訳ないのですがネットで買います。
それは店舗価格が高すぎるということだと思うのです。
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