優香のことを悪く言う人はいない気がする

今回の「ワダアキ考」で取り上げるのは優香。2000年代にタレントとしてテレビなどで大活躍。2016年にめでたく結婚し、一時テレビでの露出を減らしましたが、近頃また見かけるようになりました。「癒し系タレント」なんて言葉では収まらない印象の良さを残す優香について、武田砂鉄さんが分析します。

「本の薄っぺらい感想を笑顔でごまかす優香」

「〝今最も見たい女性〟〝最も見せたい女性〟に密着」(番組HPより)する番組『セブンルール』に出演している俳優・青木崇高の適当なコメントを楽しみにしている。ひねくれた持論をひけらかしつつもトークの流れを作る腕を持つオードリー若林とYOU。テレビの世界にわざわざやって来ていますという感じを保つ作家・本谷有希子。そういう役割分担を完遂する3人に対して、青木は、たまたま収録に居合わせた素人の兄ちゃんのような態度で臨む。苺のスイーツ専門店を経営する女性を取り上げた回では、「苺」の字って、どうして母の上に草かんむりなのか知っているか、と問い、当然、ではその答えをどうぞ、とパスを送った周囲に対し、いや、それを知りたいと思って、と続けてズッコケさせた。巧みな話者たちが築いてきた作業が一瞬で無に帰する。青木は動揺することなく、ヘラヘラ笑っている。こいつは大物かもしれないと思わせる。

「夫婦って似てくるよね」という、「2年に1度くらいしか会わない親戚に言われると妙にムカつく発言トップ3」にランクインし続ける発言を率先して使うのは憚られるのだが、青木の妻である優香のモノマネをする芸人・小出真保が、優香を真似る時の6つのポイントを挙げ、「笑い方」「姿勢」「無邪気とセクシャルの境目」「常に一生懸命」「でも少しズレている」と並べて「実は秘めているものがある気がする」としていたことを思い出したのだ(『EX大衆』2016年9月号)。小出のレパートリーの中には、「『王様のブランチ』出演時に、本の薄っぺらい感想を笑顔でごまかす優香」というものがあるが、その姿を見ていないのに想像することが容易い。その想像はおそらく実際の光景と合致している。青木のガサツな突破力は、それに似ていた。

優香、うの、紗栄子
この続きは有料会員登録をすると
読むことができます。
cakes会員の方はここからログイン

1週間無料のお試し購読する

cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。

人気の連載

おすすめ記事

発売即重版! 武田砂鉄さんの新刊です。

日本の気配

武田砂鉄
晶文社
2018-04-24

この連載について

初回を読む
ワダアキ考 〜テレビの中のわだかまり〜

武田砂鉄

365日四六時中休むことなく流れ続けているテレビ。あまりにも日常に入り込みすぎて、さも当たり前のようになってしったテレビの世界。でも、ふとした瞬間に感じる違和感、「これって本当に当たり前なんだっけ?」。その違和感を問いただすのが今回ス...もっと読む

この連載の人気記事

関連記事

関連キーワード

コメント

marekingu #スマートニュース 約1年前 replyretweetfavorite

aoxtomax 今回は砂鉄さんの分析より「私はツッコミよりボケだなと、今まで気付かなかった新しい自分を発見しました」が圧倒的にインパクトある。 https://t.co/n2C3Nf83Mq 約1年前 replyretweetfavorite