「本の薄っぺらい感想を笑顔でごまかす優香」
「〝今最も見たい女性〟〝最も見せたい女性〟に密着」(番組HPより)する番組『セブンルール』に出演している俳優・青木崇高の適当なコメントを楽しみにしている。ひねくれた持論をひけらかしつつもトークの流れを作る腕を持つオードリー若林とYOU。テレビの世界にわざわざやって来ていますという感じを保つ作家・本谷有希子。そういう役割分担を完遂する3人に対して、青木は、たまたま収録に居合わせた素人の兄ちゃんのような態度で臨む。苺のスイーツ専門店を経営する女性を取り上げた回では、「苺」の字って、どうして母の上に草かんむりなのか知っているか、と問い、当然、ではその答えをどうぞ、とパスを送った周囲に対し、いや、それを知りたいと思って、と続けてズッコケさせた。巧みな話者たちが築いてきた作業が一瞬で無に帰する。青木は動揺することなく、ヘラヘラ笑っている。こいつは大物かもしれないと思わせる。
「夫婦って似てくるよね」という、「2年に1度くらいしか会わない親戚に言われると妙にムカつく発言トップ3」にランクインし続ける発言を率先して使うのは憚られるのだが、青木の妻である優香のモノマネをする芸人・小出真保が、優香を真似る時の6つのポイントを挙げ、「笑い方」「姿勢」「無邪気とセクシャルの境目」「常に一生懸命」「でも少しズレている」と並べて「実は秘めているものがある気がする」としていたことを思い出したのだ(『EX大衆』2016年9月号)。小出のレパートリーの中には、「『王様のブランチ』出演時に、本の薄っぺらい感想を笑顔でごまかす優香」というものがあるが、その姿を見ていないのに想像することが容易い。その想像はおそらく実際の光景と合致している。青木のガサツな突破力は、それに似ていた。
優香、うの、紗栄子
cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。
cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。