松宮宏
ワインの乾杯を期待していたが、それはワインじゃなくて血だった
小手鞠は額を12針、頬を5針縫い、頬の骨が折れ、頭部は怪傑ゾロのような黒いマスクで固定された。マスクからのぞく右の目は紫色に腫れ上がり、悪人面がさらに怪しくなった。ラスベガスの作戦はわからない。探らねばならないが、試合開始直前である。負傷した小手鞠を連れ、3人は試合会場のロサンゼルス・ステイプラーズセンターへ向かった。アンはキングスとの一戦に挑もうとしている。
*実際の女子アイスホッケー代表チーム「スマイルジャパン」に架空のアスリート、アンが参加して物語は進みます。
41.ワインの乾杯を期待していたが、それはワインじゃなくて血だった
ビバリーヒルズ病院はエリザベス・テーラーの若返りやマイケル・ジャクソンの整形手術を行った有名医師がいる病院である。こんな上等な病院、と思ったが空港から近く、日本の健康保険で払い戻しがあるらしい。
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この連載について
松宮宏
「スマイルジャパン」に架空の選手「アン」を加えて進む小説。アメリカでアイスホッケーに出会った「アン」はジュニアを経て全米大学選手権で活躍する。日本代表はアンを帰国させるがソチは全敗、アンが所属する事になった社会人チームもリンク閉鎖の危...もっと読む
著者プロフィール
著作「秘剣こいわらい」「くすぶり亦蔵」「はるよこい」「さくらんぼ同盟」「まぼろしのパン屋」「さすらいのマイナンバー」「まぼろしのお好み焼きソース」そして「スマイル」