【極意2】
大腸は「内側」と「外側」から刺激しよう
──食物繊維と腸マッサージで腸内環境を改善 腸内環境が「血液の質」を決める
・善玉菌は入ってもすぐに出ていってしまう?
前回記事<朝から晩まで最高の自分を引き出す、頭によすぎる健康習慣とは?><朝食が「時計遺伝子」を目覚めさせる>に続いて見ていくのは、血液の「質」を向上する方法である。
「血液の質を決めるのは腸内環境です。腸内環境がきれいなら、いろいろな栄養素が血液に乗って各臓器へと配分されますが、腸内環境が汚いと、毒素が血液に乗って配分されることになります。ある程度は肝臓が処理してくれますが、それにも限界があります」 では、どうしたら腸内環境をきれいにできるのか?
「腸内環境が『いい』というのは善玉菌が優位であること、『悪い』というのは悪玉菌が優位であることを指します。では、善玉菌を優位にするには何をしたらいいでしょう。ヨーグルトなど発酵食品で、善玉菌をとり入れることが思い浮かびませんか?でも、たとえヨーグルトに乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌が入っていても、腸には定着しません」
赤ちゃんは胎内では無菌状態であり、生まれるときにお母さんなどに触れることで、腸内細菌の構成が決まります。つまり腸内細菌は生まれつきのもの。外からとり入れた善玉菌は、言ってみれば『派遣社員』のようなもので、入ってきても、一定期間がすぎると、出ていってしまう。すでに持ち合わせている腸内細菌を『刺激』する作用はありますが、外からとり入れた善玉菌で腸内環境が『永続的に変わる』わけではないのです」
・ 食物繊維が腸内環境を改善 ──1日20グラムはとろう
こう話す小林氏によると、「発酵食品よりずっと効果的に腸内環境をよくしてくれるものがある」──それは食物繊維だという。
「食物繊維をとると、腸内細菌の働きによって『短鎖脂肪酸』という物質が作られ、この物質が大腸のぜん動運動をうながします。すると排便がスムーズになり、腸内環境は善玉菌優位の良好な状態に保たれます」
「近年、大腸がんになる日本人が激増しているのですが、これは食物繊維の摂取量と大きな相関があります。第二次世界大戦後、日本人は平均して約20グラムの食物繊維をとっていたのですが、それが今では10グラムを切っています。食物繊維の摂取量の低下が腸内環境の悪化を招き、大腸がんの罹患者を増やしていると考えられるのです」
・腸マッサージが便秘対策に有効
また、便がたまると腸内環境は悪化するため、便秘は大敵だ。排便が滞ってしまった腸を、外から刺激するためには腸マッサージが効果的だという。
「大腸は外から手で触れることのできる、唯一といっていい臓器です。また、おへその周りをマッサージすると、小腸や大腸が刺激され、排便をうながしやすくなります」
小林氏曰く「大腸を外側と内側の両方から刺激することが重要」だという。外側からはマッサージで、内側からは食物繊維で刺激することで腸内環境をよくし、毒素ではなく栄養素に満ちあふれた「質のよい血液」を作れるようにしていこう。
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